HSTの編成について。
引き続き英国型Nゲージのお話です。これは私の備忘録も兼ねているのですが、HSTの実車の編成について、英国内の鉄道模型関係のフォーラムその他から集めた情報をまとめてみました。
1976年のHSTの登場以降、英国内の全ての地域でHSTが走ったのではありません。当時の英国国鉄は元々の四大鉄道会社時代の区分けを引き継いだ「リージョン(Region)」を基本単位として運営されていましたが、これらのうち西海岸本線を中心としたロンドン・ミッドランド・リージョン(London Midland Region)やロンドン南東部を中心としたサザン・リージョン(Southern Region)は早くから電化されていたため、HSTが導入されませんでした。
HSTが導入されたのは東海岸本線を中心としたイースタン・リージョン(Eastern Region)、それの北側に続くスコティッシュ・リージョン(Scotish Region)、そしてロンドン西部からウェールズにかけてのウェスタン・リージョン(Western Region)です。ウェスタン・リージョンを走る列車は客車7両を機関車2両で挟み込む9両固定編成で、編成全体をClass 253と呼んでいました。また、イースタンからスコティッシュ・リージョンを走る列車は客車8両を機関車2両で挟み込む10両固定編成で、Class 254と呼ばれました。
HSTに使われた客車は、英国国鉄として開発した客車の3世代目に当たるMark 3客車で、125mph(約200km/h)で走行可能な設計になっていました。Mark 3客車には一般の機関車牽引用のバッファ付き仕様と、HST専用のバッファなし仕様がありますが、過去および現在のHST専用客車の種類は以下の通りです。(参考:AbRail Rail Databases)
TS - 2等車(Trailer Second あるいは Trailer Standard)Graham、Dapolとも製品化
TF - 1等車(Trailer First) Graham、Dapolとも製品化
TGS - 車掌室つき2等車(Trailer Guard Second)Grahamで製品化
TRFB - 1等ビュッフェ(Trailer Restaurant First Buffet)Grahamで製品化
TRSB - 2等ビュッフェ(Trailer Restaurant Second Buffet)
TRUB - 等級なしビュッフェ(Trailer Restaurant Unclassfied Buffet)
TRFM - 1等ビュッフェ?(Trailer Restaurant First - Moduler)Dapolで製品化予定
TRFK - 1等食堂車(Trailer Restaurant First Kitchen)
TRUK - 等級なし食堂車(Trailer Restaurant Unclassfied Kitchen)
その他、少数だけ作られた車両がまだ何種類かありますが省略します。
※なお、Graham FarishではMark 3客車をHST用・一般機関車牽引用で区別していません。基本的に全てバッファつきで、HSTセットにもバッファつきの客車を同梱しています。
これらの客車の編成内容ですが、以下に英国の列車シミュレーター関係の掲示板からの引用にWikipediaなどから得た情報を加えて記載します。元となった掲示板記事はこちら。また、実車の写真はWikimedia Commonsよりライセンスに基づき引用させていただいています。