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はじめての丹沢は、雪と泥んこ祭り。

おはようございます。

前回の記事で触れた、耐水性に難ありということでリタイアした型番不明のキャラバン・グランドキングですが、正式の型番やスペックがどうにも気になるので21日の土曜日、文京区千石にあるキャラバンさんのショウルームを訪問して聞いてみました。この日は午後から仕事が入っていましたので、職場に行く前に寄り道です。こちらはショウルームといってもキャラバンさんの直営ショップの位置づけですので、靴のメンテナンス用品を購入するというのが一応の名目ではあるんですが。

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こちらのビルの2階がショウルームになっています。正面入り口からエレベーターで2階に上がり、ショウルーム入り口のインターホンで担当の方を呼び出して入れてもらいます。キャラバンさんの本来の社屋は豊島区巣鴨ですが、こちらが現在建て替え中で千石にあるのは仮オフィスとのこと。ビルの賃貸契約の関係で、不特定多数が出入りするショップとしては営業できないために苦肉の策でショウルームとしての体裁をとっているそうです。今年の4~5月ごろには巣鴨の新社屋に戻るので、それ以降は直営ショップとして営業再開するとのことでした。

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iPadで今回リタイヤしたグランドキングの画像を見せて型番を調べたい旨を話すと、担当の方が快く応じてくれました。奥のほうから古いカタログを取り出し、めくること1分ほどで「あ、これですね」と指差していただいたのがこのページです。間違いありません。GK-11の555アーミーグリーンです。発売期間は94年から96年ごろまでだったとのことなので、私が購入したのも17年前ではなく18年前くらいになるのかもしれません。担当の方に聞いたところでは、この当時のグランドキングはまだ防水も完全ではないので、場合によっては浸水するとのこと。劣化で浸水したわけではなく、仕様のようです。また、純国産だった最後の靴だそうで、この後継のGK-30からはガルモントのルーマニア工場での生産になったそうです。

GK-11は現在でも愛用している方がいるらしく、昨年はソールの張替えを2件受けたそうです。もちろんGK-11純正のソールは残っていないので、現行のGK68/69のソールで代用するそうですが。私も晴れの日専用靴としてソールを張り替えて使い続けてみようか・・・とか考えちゃいました。もちろん、先日靴を新調したばかりで財政難ですので、もう少し経ってからの話になりますが。この日は、ヌバック用のメンテンススプレーなどを購入してショウルームを後にしました。



さて、新調した靴、グランドキングGK69_02Mの試し履きですが、23日、日曜日に出かけようと思ったものの、どちらへ行くかが問題です。奥多摩方面はようやくライフラインが復活したばかりで登山者が足を踏み入れられる状況ではなく、雪崩の危険もあるということで、奥多摩ビジターセンター・御岳山ビジターセンター共に登山者の入山は控えるように呼びかけています(昨日、26日現在でも状況は変わらず)。高尾山周辺は大分雪も減って大丈夫そうですが、11日に行ったばかりです。

そうなると、候補はまだ足を踏み入れたことのない丹沢方面となります。緯度が南に下がる分、雪が消えるのも早いようで、22日現在ではヤビツ峠へのバスを除いて交通機関も平常どおり動いています。というわけで、はじめての丹沢でいきなり雪の塔ノ岳にチャレンジしてみました。

当ブログからもリンクを張らせて頂いている悠さんが、昨年末の12月28日に雪の塔ノ岳に登られていますが、行きは大倉尾根で帰りはピストンを避けて鍋割山経由のルートを取られています。私もこれに倣うことにしました。と言うか、表尾根に回ってもヤビツ峠からのバスはないし、ピストンを避けると鍋割山稜ルートをとるしか選択肢はないんですが(笑)。

というわけで2月23日日曜日当日、総武線各駅停車の朝4時半過ぎの始発で出発です・・・の筈がまたもや寝坊をして5時過ぎの快速2本目の出発になりました。どうも最近、たるんでいますな。当初の予定では小田急線・渋沢駅に6時47分到着の筈だったんですが、45分近く遅れて7時31分着になりました。7時36分発の渋沢駅北口発・大倉行きのバスは超満員で、私が飛び乗った後は2名ほどの方が乗られるのが限界でした。危うく、さらに遅くなるところでした。

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はじめて目の当たりにするどんぐりハウス。悠さんをはじめ、いろいろな方のブログで拝見していましたが、やっぱり実物を見ると印象が違いますね。なんか、写真のほうが大きく見えます(笑)。スパッツを装着し、準備を整えて8時ちょうどに出発です。

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軽登山靴を新調。

こんばんは。

先日の高尾山雪中行軍の際に浸水してしまって、あえなく最期を遂げた我がキャラバン・グランドキング(型番不明)ですが、本日後継となる靴を新たに調達しに出かけました。

Caravan Grand King

こちらは先日浸水した靴です。かれこれ17年位前に購入したものです。以前の記事で書いたとおり、型番を忘れてしまったのですが、形からすると現行のグランドキング・GK68_02Mの先祖っぽく見えます。


キャラバンとの付き合いは長いというか・・・中学生くらいの頃から、あの紺色のナイロン製元祖キャラバンシューズ(キャラバン・スタンダード)を3足くらいは買い替えているでしょうか。登山やハイキングで使うために購入したものの、その後サイズが合わなくなったり、どこにしまったかわからなくなったりして新たに購入、というパターンだったと思います。値段も5,000円~7,000円くらいのはずですから、普通の靴と較べてもそんなに高いものではなく、購入しやすい靴でした。学校によっては林間学校などで全員購入、などというところもあったようです。

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私には2歳下の弟がいるのですが、こいつが高校時代山岳部に入っていて本格的な革の登山靴(さかいやオリジナル?)を使っていました。山行から帰ってくるたびに魚油たっぷりの生臭い保革油を靴に塗りたくるので、玄関先が魚臭くなって家族一同閉口していましたね。この当時は今のような多種多様な登山靴はなく、本格的な革の登山靴とキャラバン・スタンダードの2択でしたが、弟にはことあるたびに私のキャラバン・スタンダードを馬鹿にされました。
「そんなもん、雨が降ったら終わりだよ~」
「雨の時には最初から山には入らんわい!」
まあこっちも年に1回か2回程度、高尾山や戦場ヶ原あたりしか歩かないので革の登山靴を買うまでのこともないのですが。

その弟も大学では山岳部には入りませんでした。OBに植村さんとかがいる山岳部ですから、ハードさが桁違いなんですけどね。弟曰く「あんなところに入ったら、命が幾つあっても足りんわい!」。命だけじゃなく、海外遠征も多いでしょうから、お金も幾らあっても足りないでしょうね(笑)。結局弟は混声合唱団に入って、山からは足を洗いました。ちなみに、市川崑監督の「ビルマの竪琴」で「埴生の宿」を合唱している声に弟の声が混じっていたりしますが(笑)。

私はといえば、高校・大学と美術部だったので、年に1回くらいあった風景合宿(スケッチハイク)でキャラバン・スタンダードを履き、イーゼルや絵の具箱を担いで山の中を歩き回っていました。弟が履かなくなった革の登山靴は私には小さすぎて履けず、相も変わらずキャラバンを愛用です。しかし、その後社会人になって画材を担いで出かけることもなくなり、キャラバン・スタンダードもどこへしまったかわからなくなりました。

前置きが長くなりましたが、今から17年ほど前、1997年ごろに当時付き合っていた彼女と山歩きでも始めようかという話になりました。そうなると行方不明のキャラバン・スタンダードを再度調達しなければなりません。靴なら御徒町だろう・・・と彼女と一緒に買いに出かけました。この当時、アートスポーツのOD-BOXはまだ今の場所になく、もっと上野寄りの、現在自転車関係を扱っている建物にあったような記憶がありますが、ここで革登山靴でもキャラバン・スタンダードでもない、グランドキングシリーズを初めて見ました。キャラバン・スタンダードよりは防水性もあり、デザインもよかったので即決で購入を決めました。予算を大幅にオーバーしている上に彼女の分も含めて購入ですから財布が大分寂しくなりましたが(笑)。

で・・・それから17年。そのときの彼女とは殆んど山歩きをする機会もなく別れてしまい(笑)、グランドキングは職場でのキャンプやバーベキュー大会、観光地での5km以内の山道歩きなどで利用されるのみでした。昨年秋から突然ハードな使い方をされるようになって、急速に劣化が進んだのかもしれませんね。

今回、新規に靴を購入するにあたって、やっぱりまず候補に上がるのはグランドキングです。履きなれたシリーズ、という安心感は大きいです。ただ、現行のグランドキングは昔とは靴型(ラスト)などが大幅に変更されているかもしれません。とりあえず、履きなれた靴の延長線上でグランドキングGK68_02M、もうすこしグレードアップしてグランドキングGK69_02Mを候補に挙げ、実際に店頭で試し履きしてみることにしました。

ただ、GK68_02Mはあっちこっちのショップで普通に見ますが、GK69_02Mの方は殆んど見かけないんですよね。以前見かけた記憶があるのは、千葉県・印西市のWILD-1です。電話して在庫状況を聞いてみると、GK68_02M、GK69_02Mとも全サイズ在庫が揃っているようです。早速本日の午前中、出かけてみました。


私の現在のグランドキングは26.0cmなのですが、店頭展示してあるGK69_02Mも同サイズでしたので、すぐに試し履きしてみました。履いたフィーリングは使用中のものと殆んど変わりません。というより履き心地はかなり良くなっています。靴型の大幅な変更もなかったようですね。履き心地が気に入ったので、GK68_02Mの試し履きはせず、GK69_02Mに決めました。WILD-1では現在、メールアドレスを登録してある会員の場合は10%OFFになるというキャンペーン中だったので、24,570円で購入できました。

夕方、新しい靴を履いて近所を2kmほど散歩してみました。舗装道路の上だけを歩いていても意味はなさそうですが、とりあえず変なところが痛くなったりとかの不具合はまったくありません。ついでにそのまま駅から電車に乗って、千葉パルコの好日山荘まで出かけてみました。千葉市の中心街って、通勤の方角とは逆方向で定期券も効かないので、殆んど行く機会がありません。高校生の頃はこの界隈はテリトリーだったんですけどね。

好日山荘からのDMによると、なんでも千葉パルコ店の一つ上のフロアに好日山荘のアウトレット専門店がオープンしたらしいのですが・・・行ってみるとそれほど品物があるわけでもなく、ちょっと期待外れでした。レディースのほうが若干商品点数が多そうな感じでしたので、女性だと多少は違う感想を持つかもしれません。

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大雪の南高尾山稜から城山、高尾山へ。

おはようございます。

このところ休日出勤が多くて山歩きのできない週末が続いていましたが、かなりフラストレーションが溜まっていましたので、2月8日・9日の土日はどちらかで必ず山へ行くぞ!と心に決めておりました。ま、仕事のほうが後で時間がなくなって切羽詰るのは目に見えていたんですが、ストレス解消も大事です。

しかしながら前回の記事で書いたように、この両日は記録的な大雪となってしまい、山行どころではなくなりました。9日の段階でも交通機関はまだまともに動いていませんでしたから、呑気に山遊びをやれるような状況ではありません。それに、この日出かけるならチビを連れて行かなければなりませんが、この大雪の中子連れ狼・・・ならぬ子連れタヌキで歩くのはかなり無謀です。それならば・・・と2日遅れた2月11日、建国記念日に出かけることにしました。この日はやはり前回の記事で書いたとおり、女房とチビはガーラ湯沢でパパ抜きスキーということになっていますから、羽根を伸ばす絶好の機会です(笑)。

今回、土曜日に雪・・・の予報が出ていた先週初めの時点でスノーハイクを期待していましたが、問題は行き先です。当初は奥多摩方面を考えていました。川苔山、鷹ノ巣山はかなり無謀かも・・・高水三山、あるいは4月に予定してた御前山を前倒しして行くか?などと目論んでいたんですが、かなりの大雪が予想されるとの予報が出ていたので、奥多摩自体をやめて無難なところで高尾山周辺に変更しました。実際の降雪はさらに予想を上回る量でしたから、初心者に奥多摩なんかとんでもない、という状況になってしまいましたが。

で、高尾山周辺ですが、ちょっとハードに、だけど危険のないコース・・・というところで選んだのが南高尾山稜から城山、高尾山を回るコースです。雪のない時期のこのコースは、展望があまりなく、それでいて距離が長いという、金毘羅尾根にも似た我慢のコースのようですが、ちょっと下ればどの方面へもエスケープできるので今回のような状況にはうってつけです。高尾山口からバスで梅の木平まで行き、そこから三沢峠に登って南高尾山稜、大垂水峠、城山、高尾山を経て高尾山口まで戻るコースはおなじみ「関東ふれあいの道」のNo.1、「湖のみち」にもなっています。今回はバスを使わず、高尾山口から国道20号を渡ってすぐ向かいにある低い尾根筋に取り付き、ここを伝って三沢峠まで歩きます。

というわけで2月11日建国記念日、朝5時半ごろに総武線快速電車で出かけました。ガーラ湯沢まで行く女房・子供と一緒に家を出たんですが、玄関先にでたところでまさかの雪です。この日、千葉(と言っても千葉市から南だけみたいですが)関東南岸を通過した弱い低気圧の影響で再び雪に見舞われ、この日昼までにさらに11cm積もったようです。こちらは出かけてしまったのであまり実感がありませんが。

途中、馬喰町で女房たちと別れて都営新宿線に乗り換え、そのまま直通になっている京王線で高尾山口まで。高尾山口到着は7時37分でした。早速身支度を整え、出発です。

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7時48分、高尾山口駅前に誰かが作ってあった雪だるま・・・トトロですね。

この後、駅のすぐ前にある国道20号に出て、大垂水峠方面へ100mほど行ったところのサークルKサンクスに立ち寄っておにぎりを3つ購入。一つは朝食用ですぐに口に押し込みました。残りは昼食用です。

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サンクスから50mほど都心方向に戻った信号の脇に「橋本屋」というお蕎麦屋さんがあります。そこの右手の道を入るとすぐに登山道の入り口です。

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登山道はのっけから雪道ですね。ちょっと足を踏み入れてみると、気温が高めのせいもあって凍り付いていません。ざくざくした感じですので、軽アイゼンをつけずに出発することにしました。時間は8時ちょうどです。

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10分ほど雪道を登ってきて尾根筋に到着。奥のほうの道が登ってきた道です。高尾駅のほうからだと、この尾根の突端から登ってこれるようですね。

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ぜんぶ雪のせいだ。

こんばんは。

前回の記事からちょっと間が空いてしまいましたが、相変わらず忙しい日が続いています。前回ちょっと触れた女房と子供のガーラ湯沢へのパパ抜きスキー行ですが、結局女房が目論んでいた2月1日は満席のためチケットが取れなかったようで、最終的に2月11日、建国記念日のチケットを取ったようです。女房は「ぜんぶ『ぜんぶ雪のせいだ。』のCMのせいだ。」とお冠ですが、川口春奈ちゃんと張り合うにはちと無理がありすぎるんじゃ・・・いや、なんでもないです。

さて、雪と言えば昨日今日の関東地方の雪も凄かったですね。こちら千葉市では1966年に観測が始まってから最大の33cmの積雪を記録したようですが、風も強かったのでマンション下の吹き溜まりでは優に50cmを超えていました。ツイッターなどによると、市内の他の場所では深さが1m近い吹き溜まりもあったようです。Wikipediaの記述では、前述の気象庁の公式記録開始以前、1951年に市内で133cmという記録もあったようですが、今回のような気象条件で吹き溜まりができた結果のように思います。

昨日今日は流石に仕事にも行かず家にいたのですが、今日は高尾山あたりでスノーハイクができないかと準備だけはしていました。ただ、朝の段階で辛うじて電車は動いているものの安定せず(その後運休)、現地の積雪量も呑気にスノーハイクというレベルでないのは明白だったので当然中止しました。今回の半分位の積雪量だとちょうどいい具合だったんでしょうが・・・。

その代わりに今日は朝早くから雪かきです。マンションの玄関前などは管理会社が除雪していますが、各部屋の前や通路、階段まで雪が大量に吹き込んでいて、所により20cmを超える積雪になっています。まさかマンション住まいで部屋前の雪かきをやる羽目になるとは思いませんでした。除雪用のスコップなどは当然持っていないので、ちりとりとバケツで除雪作業です。しかも上階ですので外に投げ出すわけには行かず、通路の端にうずたかく積み上げるしかありません。凍ったりはしていなかったのでエレベーターホールまで1時間ほどで除雪できましたが、ずっと前かがみで作業していたので腰が痛くなりました(笑)。

ただ、台風一過ならぬ低気圧一過で空気が澄んでいるせいか、雪をかぶった遠くの山々までよく見えていました。もともと我が家の玄関先からは富士がよく見え、特に冬場は晴れていれば毎日のように富士を見ながら出勤しているのですが、今日は手前の丹沢・塔ノ岳や蛭ヶ岳が白く雪をかぶっているのがよく見えました。肝心の富士には雲がかかっていて姿を拝むことができませんでしたが。北のほうには滅多に見えない日光・男体山までが雪をかぶった姿を見せていて、雪かきの間の小休止のたびに山々を眺めて悦に入っていました。

さて、昨日今日と自宅にいてタップリと時間があったので、先週入手した本を読んでいました。

09 Feb. 2014 01

ご存知の方も多いでしょうが、長年青梅署に勤務され、山岳救助隊の副隊長として奥多摩山域の救難活動に従事しておられた金邦夫(こん・くにお)さんの著書、「奥多摩登山考」です。この本は奥多摩ビジターセンターの機関紙「あびえす」に2000年頃連載しておられた記事をまとめたものであり、後に角川学芸出版から出された「金副隊長の山岳救助隊日誌-山は本当に危険がいっぱい」の前編にあたる本です。


「山岳救助隊日誌」の方もすでに版元品切れということで古書のみでしか入手できませんが、奥多摩の山を登るようになってすぐにその存在を知り、昨年12月に入手して読んでいました。そのときから前編にあたる「奥多摩登山考」も探していたのですが、何せ一般流通ルートに乗っていない本で出版数も少なく、古書としても滅多に出回らないので入手が困難です。当初現職警察官の本ということで、「非売品と言うことなら出版してもよい」と警視庁のほうから許可を貰って出版したという経緯があるらしく(奥付にも非売品と書いてあります・・・もちろんこれは名目で実際には1,200円ですけど)、限りなく自費出版物に近い本ですね。今回はあるところにほんの少しだけ残っていたものを送っていただきました。

内容はもちろん、山岳救助隊としてご自身があたられた救助活動の記録が中心です。「山岳救助隊日誌」の時にもまず感じたのですが、警察官として報告書を日々まとめられている関係か、記述が極めて客観的で映像を見るように明瞭なことが印象に残ります。「山岳救助隊日誌」の遭難事故と同一の事例が奥多摩消防署のWebサイトで紹介されていたりしますが、こちらも記述が明瞭なので、まるで2台のカメラで記録したかのように視点を変えて記録されているのがわかります。

マスコミの報道などだと、往々にして「かくあるべき」という記者の思い込みによるバイアスがかかることがあります。しかし、山岳救助隊員が思い込みに捉われると遭難者の発見にも支障をきたしかねませんから、極力思い込みを排除しようという姿勢が明確です。不幸にして遭難者が亡くなられたケースでも、現場に残された足跡や滑落痕などのわずかな手がかりから遭難者がなぜそこに至ったかを深く考察されており、現場でかかわった当事者でなければ書けない文章には説得力があります。

しかし、それにしても川苔山や天租山、雲取山周辺は遭難事故が多いです。川苔山だと自分も歩いているのでわかりますが、百尋ノ滝から川苔山山頂に至る断崖沿いの道、特に登りだと一番最後の鉄製ハシゴのあたりの滑落事故の多さには驚きます。自分自身も「怖いな」と思いながら歩いていましたが、本当に危険な箇所なんですね。金さんは定年退職後も昨年春まで嘱託として救助活動をされていたようですが、その際に関わられた、1年ちょっと前のこちらの事故も同じ場所か、すぐ近くのようです。

この他、先日歩いてきた岩茸石山の山頂直下の急登(惣岳山寄り)でも滑落死亡事故がおきていたり、大岳山と鋸山の間のガレ場で滑落事故がおきていたりなど、自分も知っている場所での事故の事例が続々と出てきます。大岳山の山行記事で取り上げた、御岳山との間の岩場ですが、実際にここでは何度も滑落事故が起きているようです。やはりそれなりの理由があって注意喚起の看板が出ているんですね。今後も気を引き締めて、安全登山を励行していきたいと思います。山岳救助隊の皆さんと、ぜひ「お目にかからない」ようにしないといけませんよね。

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プロフィール

徒骨亭主人

Author:徒骨亭主人
「むだぼねていしゅじん」です。「とこつ」ではありません。
主な関心事は電子工作、鉄道模型、空モノラジコン。その他、オーディオ、銀塩カメラ、クラシック音楽、映画などなど・・・何のことはない。どれも皆、昔ながらのオヤジ趣味ですな。最近は13年11月から始めた山歩きに熱中しております。
女房に頭の上がらない、小学生の息子を持つ父親です。

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