権現山は、天然の展望台。
こんばんは。
私が普段仕事をしている秋葉原近辺には最近、加賀カレー系のお店が幾つかできていますが、そのうちの一つのお店のカレーが時々無性に食べたくなって、10分ほど歩いて食べに行くことがあります。まあ、取り立てて旨いと言うほどのカレーでもないとは思うんですが、あのカラメルを効かせたカレーが何故か食べたくなるときがあるんですよね。
そうそう、何故か無性に食べたくなるカレーと言えば・・・今から30年以上も昔の話になりますが、JR御茶ノ水駅の西口を出てスクランブル交差点を斜め、すなわち対角線上に渡ったところに「カレーの店マコ」という個人経営の小さなお店がありました。確か置いてあるメニューは3つ、ビーフ、ポーク、チキンをそれぞれ具材に使ったカレーだけだったと思います。ここのカレーもやはり無性に食べたくなるときがあって、わざわざ御茶ノ水まで食べに行ったりしていたんですが、ちょうど30年前の1985年ごろに店を畳んで跡地は薬局になってしまいました。
このマコのカレー、その後も思い出すたびに「もう一回食べてみたい」なんて思っていたんですが、秋葉原の私がよく行くお店で初めて加賀カレーを食べた時に感じたのが、「これ、マコのカレーに近い!」だったんです。まったく同じ味ではありませんが、カラメル系の味に共通するものを感じます。マコが健在だった当時、カレーにグラニュー糖を入れていた・・・という話を聞いたこともありますし。まあ、今となってはどういう人がどういう経緯でお店を出していたのか、調べようもないですけどね。
ところで、加賀カレーの看板を出しているお店、本当に現地と同じ味のカレーを出しているんでしょうか?同じご当地グルメの讃岐うどんの場合、東京辺りでは相当かけ離れたものしか出てきませんが(特にはな○・・・伏字になってないな・笑)、状況は同じなんじゃないかという気もします。
さて。今回の山行はこちらです。

これは昨年の11月23日、奥多摩・三頭山から笹尾根を浅間峠まで歩いたとき、途中の数馬峠から南西方向を撮った写真ですが、笹尾根の南西側を平行に走っている山稜の上、画面のほぼ中央にちょこんと突き出たピークがあります。このピークを見たときから「行ってみたいな」と思っていたんですが、今回、小仏峠以西の中央線沿線の山々に足を延ばすにあたって、このお山、権現山を攻略してみることにしました。
ただ・・・調べてみるとこの権現山、アクセスはあまりよくないようです。主な登山ルートは以下の通り。
(1)中央線上野原駅からバスで用竹バス停まで行き、ここから尾根伝いに二本杉、雨降山を経由して権現山へ。
(2)同じく上野原駅からバスで用竹の先、初戸のバス停まで行き、ここから雨降山へ登って(1)のルートへ合流、権現山へ。
(3)中央線大月駅から浅川バス停まで行き、ここから扇山と権現山の間の浅川峠へ登って権現山へ。
(4)同じく大月駅から富岡バス停、または杉平入口バス停まで行き、長尾根または鋸尾根を経由して麻生山。あとは尾根伝いに権現山へ。
どのルートもバス利用が必須です。でも、どのルートも1日に数本のバスしかありません。奥多摩あたりなら1時間に1本程度はバスが出ていますから、東京都から一歩出ると一気に交通の便が悪くなります。
こういう状況で、行きも帰りもバス利用というとコースのプランニングがかなり面倒ですよね。行きと帰りのどちらかは鉄道駅に直接アクセスするルートを考えるのが無難です。そこで考えたのが、中央線の鳥沢駅に始発電車で向かって朝の7時過ぎに駅前を出発、まずは鳥沢駅の北にある扇山に登り、ここをそのまま乗り越えて浅川峠経由で権現山に向かうコース。帰りは権現山から東へ尾根沿いに進んで用竹バス停へ下ります。
出かけるのは3連休の初日、1月10日土曜日にしました・・・が。年初来、少々忙しくて疲れが溜まっていたようで、見事に寝坊。翌11日は前回記事でも触れた通り、習志野演習場へ行く予定だったので、12日の成人の日に改めて出直すことにしました。
ただ、その間にちょっと計画を変更。用竹バス停からの帰りのバスの時刻は15時10分と16時53分なんですが、15時10分に着くのはちょっと難しそう。どうも、中途半端な時間に用竹に到着して、1時間以上、寒いところでバスを待つ羽目になりそうです。だったら、反対方向に回ればどうなんだろう?と考え直しました。用竹へ行くバスは12月に鶴峠経由で三頭山に向かったときに乗ったのと同じルートですが、今は冬季ダイヤなので8時30分発のみ、しかも飯尾どまりとないっています。もちろん用竹までならこれで十分なんですが、時間がかなり遅めですよね。ただ、扇山からの下山路はあまり時間もかからず、里に出てからの一般道歩きが長いようなので暗くなっても問題なさそうです。というわけで回る方向を反対にし、用竹バス停から権現山に登り、帰りは鳥沢駅に抜けることにしました。
今回の詳細なルートとコースタイムは例によってヤマレコに登録してあります。併せてご覧ください。

バスの時間が遅いので、自宅を出るのも遅めです。5時半過ぎの快速電車で地元駅を出発、東京駅、高尾駅で乗り換えて、8時8分、上野原駅に到着。上野原駅は構造がちょっと変則的で、島式ホームの真ん中の部分に改札口があります。改札機はこちら側だけでなく、ホームの反対側にもついています。

改札を超えると、エスカレーター・階段で跨線橋に上がります。もうここは改札の外です。なんだか妙な感じがします。

駅前には既にバスが到着していましたが、乗れるようになったのは8時20分頃でした。登山姿の乗客が、私を含めて15人ほど乗り込みました。流石にシーズンオフだと混み合うことはないですね。

バスは20分ちょっとで用竹のバス停に到着。ここで降りたのは私一人でした。他の人たちはどこまで行ったんでしょうね。身支度を整え、9時2分、出発です。

指導標はしっかり付いていそうです。バス停からのこの奥へ進んで行きます。

・・・と思ったら、いきなり道を間違えました。実はここを100mほど通り過ぎてしまい、間違いに気が付いて引き返してきました。ここを左の方へ鋭角ターンして坂道を登っていきます。

実は指導標もあったんですが、かなり古くてボロボロです。背景の枯れ草に完全に溶け込んでいて気が付きませんでした。

坂道を100m弱登るとカーブミラーの脇に指導標があります。ここを右へ入ります。一応、このまま真っ直ぐ進んでも権現山へは行けるんですけどね・・・。

右へ入った先、しばらくコンクリート舗装の集落内の道路を歩いているとやがて舗装が終わり、ここを右に折れた先が登山道になります。


最初は尾根上に乗り上げるまでのお約束の急坂です。但し、そうきつくはありません。

30分弱歩くと尾根上に到達。

「山と高原地図」にはルートの記載がありませんが、用竹バス停の一つ先、殿村バス停からも神戸山経由で登山道が延びてきているようです。こっちの方が尾根筋どおりのルートみたいですね。

気持ちのいい尾根道を歩きます。この辺りでは割と平坦な道が続いていますね。

分岐に出ました。実は先ほどのカーブミラーの場所から右へ入らず、そのまま進んでもここまで来れます。それは知っていたんですが・・・途中の地名(左方向への指示板にある地名)があまりといえばあまりなんで避けちゃいました。どう見ても、山崎努さんが猟銃と日本刀を持って突っ走って来るシーンを連想しますよね。

再び尾根道を進みます。

もう一つ分岐。ここには地名が書いてありませんが、ここを左に折れてもやっぱり八つ墓・・・じゃなくて「墓村」。どうしてこんな地名が付いたんでしょうね?

ちょっとした急坂を登ります。まあ、ここまでが平坦すぎたんですが。

左側にちょっと開けたところがあって、上野原方面を望むことができます。
この先、急坂を登っている途中で、上のほうから下りてくるMTBの4人連れとすれ違いました。例によって熊鈴をつけていないので、先頭の方はこちらに直前まで気が付かなかったようです。慌ててMTBを停めて「済みません」とおっしゃってましたが、こっちも無音で歩いていて済みません。後続を停めて道を譲ってくれようとしましたが、急坂なので私のほうが登山道の外へよけて先に行ってもらいました。
結局、権現山に着くまで誰一人すれ違ったり、追い越したり、あるいは追い抜かれたりしなかったので、この4人の方が唯一遭遇した人間となりました。

急坂の先は、再び歩きやすい尾根道。

このあたりから再び尾根が急傾斜になり始めますが、登山道は一旦北側に巻いて尾根の来た斜面を九十九折れに登るようになります。

九十九折れの途中、ちょっと開けたところから笹尾根の生藤山方面が見えています。

尾根の上に乗り上げると杉林になります。少し先へ進むと二本杉(908m)に到着。登山道は山頂を通っていません。

指導標に手作り山名標が括り付けてありました。何もこんなところで領有宣言しなくても・・・(笑)。

しばらく杉林の中を歩きます。ちょっと前から無線機のスイッチを入れてあったんですが、このあたりから東京や神奈川の無線局が時々入感するようになりました。ここは石尾根よりもかなり奥まったところにあり、周囲を山に囲まれていますからあまり電波が入ってこないようです。

杉林を抜けると気持ちのいい冬枯れの道。誰もいないこの道を独り占めです。

雨降山に到着。山頂にはこのような中継タワーが数基建てられており、休憩したり展望を楽しんだりする場所はありません。とりあえず先へ進みます。

雨降山のちょっと先で初戸バス停からの登山道と合流。この指導標の奥方向が初戸バス停です。初戸バス停からここまでは標準CTで2時間ほどですから、用竹バス停から来るよりは若干楽なようです。

ほんとに誰も居ませんね~。気持ちよく前へ進みます。

和見分岐に到着。左の法へ進むと和見峠、高指山、不老山方面です。それと、この道標のところから右斜め後方の小ピークへの踏み跡が付いていますが、どうやらそちらは「すみれの丘」、すみれの群生が見られるらしいです。春になったらもう一度来てみましょう。

右前方にピークが見えてきました。どうやらあれが権現山のようです。

いや~、相変わらず気持ちのいい道ですね。

木々の向こうに見えているのは奥多摩三山。

道が急になってきました。いよいよ権現山が近いようです。

大ムレ権現に到着。権現山の名前の由来にもなっている神社です。大勢籠(おせろう)権現とも呼ばれているようです。ここで道中の安全祈願・・・ですが、中はちょっとアンモニア臭がします。そういう用途で使った人がいるのかもしれません。でも今回のルート、最初から最後までトイレが全くありませんでしたから女性にはかなりきついかも。

大ムレ権現の左側を抜け、そのまま裏の斜面を直登します。この斜面、結構きついかも。遠くから見ても山頂部分が尖った山容ですから、山頂直下が急斜面なのは予想していましたけどね。

やがて傾斜が緩やかになると・・・。


権現山山頂(1,311m)に到着です。山頂には誰も居ません。完全独占状態です♪

山頂はまさに天然の展望台。三方向が大きく開けており、この界隈の山々を一望できます。まず最初にこちらは北方向を広角端(24mm)で撮影。

続いて望遠端(120mm)で山々を個別に。こちらは飛龍山方面。

奥秩父の山々。どの辺りまで見えているんでしょうね。すっかり雪に覆われています。

中央が雲取山。

こちらは三頭山です。

御前山。御前山の左奥に見えているのが川苔山ですね。

続いて東方向を広角端で。正面が都心になります。

大岳山。

先ほど見えていた、笹尾根の生藤山付近。画面の右端は奥高尾の陣馬山です。

そしてこちらが南側・・・言うまでもなく、真打登場です。

富士山を望遠端で撮影。
この後、山頂で昼食を摂りました。先ほどからスイッチを入れっぱなしにしてあった無線機、雨降山を過ぎた辺りから横須賀市や千葉市、さいたま市方面の局がちらほらと入感していたんですが・・・山頂に着いたらうんともすんとも言わなくなっています。他に登山者が居なければ、山頂から数局、交信してみようかと思っていたんですが・・・はて?でも、ふと気が付いたらお昼時なんですね。皆さん食事中のようです(笑)。

今回のザックの様子。え~何やら無線機に外付けの長めのホイップアンテナやらマイクロホンやらが取り付けられてパワーアップしています(笑)。でも、ここまで来る間にアンテナがぶらぶらして邪魔だったので、この後取り付け位置を下に落としてザックの上に突き出ないようにしました。
山頂に着いた当初は無風でボカボカ陽気でしたが、12時半を過ぎた辺りから風が出てきました。流石に吹きっさらしの尖がった山頂、風が出るとかなり寒いです。

12時45分、扇山に向けて移動開始。山頂に居る間、とうとう誰もやって来ませんでした。

やっぱりこちら側の下りも急ですね。ただ、足を滑らせないように注意しながら下りて行きます。

こちらを尾根沿いに真っ直ぐ進むと麻生山方面。尾根があまりに気持ちいいのでこのまま真っ直ぐ進みたい衝動に駆られましたが、こっちに進むと駅から遠くなってしまいます。またの機会・・・ということで、左に折れて浅川峠方面へ進みます。

こっちもひたすら急坂が続いています。落ち葉が多くて何回も足を滑らせました。あまり早くは移動できないですね。

このあたり、辛うじて踏み跡があるので登山道だとわかりますが・・・。

同じ場所で90度右に目を移すと、いかにもこっちが正規の登山道だよ、といわんばかりの尾根が続いています。踏み跡が見えない場合はきちんと地図やGPSで確認しないといけないですね。

こんな感じで落ち葉が積もっていて、何回か足を踏み抜きました。まあ、踏み抜きそうだとわかっていて歩いているので、そのまま滑落したりはしませんが。

ここも落ち葉をラッセルして進む感じです。

ようやく平坦な尾根道になりました。

浅川峠に到着。ここを右に折れると浅川バス停に出ますが、たしかそこもバスの本数はかなり少なかったはずです。権現山からここまでの間に、親子三代っぽい三人組のパーティ、夫婦連れらしい二人組のパーティとすれ違いました。結局、この後は鳥沢駅まで誰にも会わなかったので、この山域で見かけた最初で最後の登山者でした。

山と高原地図で「迷」マークのついているあたり。踏み跡は明瞭に左へ続いています。何だ、迷いそうな場所じゃないじゃん、と先へ進みましたが・・・。

いつの間にか踏み跡から外れてしまいました(笑)。まあ、尾根筋をこのまま歩いていけばOKなんですが。

そのうち左のほうから踏み跡が現れて無事合流。100mほどロスしたようです。でも、どこで踏み跡から外れたんだろう?

曽倉山山頂(940m)に到着。ここは全く展望がありません。

正面に扇山。でも、一旦道は下ります。

右手には百蔵山も見えます。


扇山への最後の登り。でも、こちらもかなり急です。場所によっては何かに掴まりたくなるようなところもあります。かなりへたばってきているので、休み休み登っていきます(笑)。それと、逆光が眩しくて道がよく見えません。いかん、サングラスを持ってきていなかった・・・。

おお、だいぶ平坦になってきました。山頂も近いかな?



扇山山頂(1,137m)に到着♪意外と権現山と扇山の間はきつかったですね。バテてきているので、標準CTの1時間半を大幅にオーバー、2時間かかって到着です。14時過ぎにはここに着きたかったんですが。

日が傾いてきているので、富士はすでにシルエット。この山は秀麗富嶽十二景のひとつでもあります。私にとっては初めての秀麗富嶽十二景。

こちらは百蔵山方面への登山道。こちらも気持ちよさそうですね。

こっちが本日の下山ルート。15時過ぎに下山開始。これから鳥沢駅まで下ります。

こっちも結構急です。扇山は意外と急斜面が多いですね。落ち葉の下がぬかるんでいる所があって、一回派手に足を滑らせました。

鳥沢駅方面と梁川駅方面の分岐です。右が鳥沢駅。ここを右に折れます。


山と高原地図には「急坂」と書いてありますが、権現山と扇山の間のルートに較べると全然大したことありません。道も広くて林道のようです。本当に林道かも?

道が分岐しています。鳥沢駅方面は左に折れるようです。

こっちは登山道っぽいですね。やっぱり、さっきの道は限りなく林道に近いような気がします。

じきに里(山谷集落)に出ました。これで日が暮れても大丈夫、一安心です。

本日最後の富士。もう日没間近です。

アスファルト舗装された道路に出ました。

右奥方向は近道、左は一般道・・・なんとなく変な道に嵌りそうな気がしたので、一般道を歩きます。

この先でバスの通る道に合流。ちなみにバスと言っても猿橋などの駅に1日1本、週末は運休という気が遠くなりそうなバスです。

バス通りにはセンターラインがありますが・・・この先、道が再び狭くなってセンターラインはなくなりました。

右のほうから来ている道が、先ほどの近道のようです。どう見ても近道を歩いたほうが早かったみたい。

やがて中央道の下を潜り、国道20号線に出ました。ここを右折。西のほうへ向かいます。

国道20号をテクテクと歩いて・・・。

この先の信号の所を左へ入ります。

鳥沢駅に到着。次の電車は17時13分。電車に乗るために待合室のベンチで無線機を片付けたりしてザックをまとめます。17時には、駅員さんが事務室を閉めて帰ってしまいました。17時以降は無人駅になるようです。
この後、高尾まで各駅停車で移動して高尾から特別快速に乗車。東京で総武線快速に乗り換えて帰宅しましたが、その殆どの区間、爆睡していました。
私が普段仕事をしている秋葉原近辺には最近、加賀カレー系のお店が幾つかできていますが、そのうちの一つのお店のカレーが時々無性に食べたくなって、10分ほど歩いて食べに行くことがあります。まあ、取り立てて旨いと言うほどのカレーでもないとは思うんですが、あのカラメルを効かせたカレーが何故か食べたくなるときがあるんですよね。
そうそう、何故か無性に食べたくなるカレーと言えば・・・今から30年以上も昔の話になりますが、JR御茶ノ水駅の西口を出てスクランブル交差点を斜め、すなわち対角線上に渡ったところに「カレーの店マコ」という個人経営の小さなお店がありました。確か置いてあるメニューは3つ、ビーフ、ポーク、チキンをそれぞれ具材に使ったカレーだけだったと思います。ここのカレーもやはり無性に食べたくなるときがあって、わざわざ御茶ノ水まで食べに行ったりしていたんですが、ちょうど30年前の1985年ごろに店を畳んで跡地は薬局になってしまいました。
このマコのカレー、その後も思い出すたびに「もう一回食べてみたい」なんて思っていたんですが、秋葉原の私がよく行くお店で初めて加賀カレーを食べた時に感じたのが、「これ、マコのカレーに近い!」だったんです。まったく同じ味ではありませんが、カラメル系の味に共通するものを感じます。マコが健在だった当時、カレーにグラニュー糖を入れていた・・・という話を聞いたこともありますし。まあ、今となってはどういう人がどういう経緯でお店を出していたのか、調べようもないですけどね。
ところで、加賀カレーの看板を出しているお店、本当に現地と同じ味のカレーを出しているんでしょうか?同じご当地グルメの讃岐うどんの場合、東京辺りでは相当かけ離れたものしか出てきませんが(特にはな○・・・伏字になってないな・笑)、状況は同じなんじゃないかという気もします。
さて。今回の山行はこちらです。

これは昨年の11月23日、奥多摩・三頭山から笹尾根を浅間峠まで歩いたとき、途中の数馬峠から南西方向を撮った写真ですが、笹尾根の南西側を平行に走っている山稜の上、画面のほぼ中央にちょこんと突き出たピークがあります。このピークを見たときから「行ってみたいな」と思っていたんですが、今回、小仏峠以西の中央線沿線の山々に足を延ばすにあたって、このお山、権現山を攻略してみることにしました。
ただ・・・調べてみるとこの権現山、アクセスはあまりよくないようです。主な登山ルートは以下の通り。
(1)中央線上野原駅からバスで用竹バス停まで行き、ここから尾根伝いに二本杉、雨降山を経由して権現山へ。
(2)同じく上野原駅からバスで用竹の先、初戸のバス停まで行き、ここから雨降山へ登って(1)のルートへ合流、権現山へ。
(3)中央線大月駅から浅川バス停まで行き、ここから扇山と権現山の間の浅川峠へ登って権現山へ。
(4)同じく大月駅から富岡バス停、または杉平入口バス停まで行き、長尾根または鋸尾根を経由して麻生山。あとは尾根伝いに権現山へ。
どのルートもバス利用が必須です。でも、どのルートも1日に数本のバスしかありません。奥多摩あたりなら1時間に1本程度はバスが出ていますから、東京都から一歩出ると一気に交通の便が悪くなります。
こういう状況で、行きも帰りもバス利用というとコースのプランニングがかなり面倒ですよね。行きと帰りのどちらかは鉄道駅に直接アクセスするルートを考えるのが無難です。そこで考えたのが、中央線の鳥沢駅に始発電車で向かって朝の7時過ぎに駅前を出発、まずは鳥沢駅の北にある扇山に登り、ここをそのまま乗り越えて浅川峠経由で権現山に向かうコース。帰りは権現山から東へ尾根沿いに進んで用竹バス停へ下ります。
出かけるのは3連休の初日、1月10日土曜日にしました・・・が。年初来、少々忙しくて疲れが溜まっていたようで、見事に寝坊。翌11日は前回記事でも触れた通り、習志野演習場へ行く予定だったので、12日の成人の日に改めて出直すことにしました。
ただ、その間にちょっと計画を変更。用竹バス停からの帰りのバスの時刻は15時10分と16時53分なんですが、15時10分に着くのはちょっと難しそう。どうも、中途半端な時間に用竹に到着して、1時間以上、寒いところでバスを待つ羽目になりそうです。だったら、反対方向に回ればどうなんだろう?と考え直しました。用竹へ行くバスは12月に鶴峠経由で三頭山に向かったときに乗ったのと同じルートですが、今は冬季ダイヤなので8時30分発のみ、しかも飯尾どまりとないっています。もちろん用竹までならこれで十分なんですが、時間がかなり遅めですよね。ただ、扇山からの下山路はあまり時間もかからず、里に出てからの一般道歩きが長いようなので暗くなっても問題なさそうです。というわけで回る方向を反対にし、用竹バス停から権現山に登り、帰りは鳥沢駅に抜けることにしました。
今回の詳細なルートとコースタイムは例によってヤマレコに登録してあります。併せてご覧ください。

バスの時間が遅いので、自宅を出るのも遅めです。5時半過ぎの快速電車で地元駅を出発、東京駅、高尾駅で乗り換えて、8時8分、上野原駅に到着。上野原駅は構造がちょっと変則的で、島式ホームの真ん中の部分に改札口があります。改札機はこちら側だけでなく、ホームの反対側にもついています。

改札を超えると、エスカレーター・階段で跨線橋に上がります。もうここは改札の外です。なんだか妙な感じがします。

駅前には既にバスが到着していましたが、乗れるようになったのは8時20分頃でした。登山姿の乗客が、私を含めて15人ほど乗り込みました。流石にシーズンオフだと混み合うことはないですね。

バスは20分ちょっとで用竹のバス停に到着。ここで降りたのは私一人でした。他の人たちはどこまで行ったんでしょうね。身支度を整え、9時2分、出発です。

指導標はしっかり付いていそうです。バス停からのこの奥へ進んで行きます。

・・・と思ったら、いきなり道を間違えました。実はここを100mほど通り過ぎてしまい、間違いに気が付いて引き返してきました。ここを左の方へ鋭角ターンして坂道を登っていきます。

実は指導標もあったんですが、かなり古くてボロボロです。背景の枯れ草に完全に溶け込んでいて気が付きませんでした。

坂道を100m弱登るとカーブミラーの脇に指導標があります。ここを右へ入ります。一応、このまま真っ直ぐ進んでも権現山へは行けるんですけどね・・・。

右へ入った先、しばらくコンクリート舗装の集落内の道路を歩いているとやがて舗装が終わり、ここを右に折れた先が登山道になります。


最初は尾根上に乗り上げるまでのお約束の急坂です。但し、そうきつくはありません。

30分弱歩くと尾根上に到達。

「山と高原地図」にはルートの記載がありませんが、用竹バス停の一つ先、殿村バス停からも神戸山経由で登山道が延びてきているようです。こっちの方が尾根筋どおりのルートみたいですね。

気持ちのいい尾根道を歩きます。この辺りでは割と平坦な道が続いていますね。

分岐に出ました。実は先ほどのカーブミラーの場所から右へ入らず、そのまま進んでもここまで来れます。それは知っていたんですが・・・途中の地名(左方向への指示板にある地名)があまりといえばあまりなんで避けちゃいました。どう見ても、山崎努さんが猟銃と日本刀を持って突っ走って来るシーンを連想しますよね。

再び尾根道を進みます。

もう一つ分岐。ここには地名が書いてありませんが、ここを左に折れてもやっぱり八つ墓・・・じゃなくて「墓村」。どうしてこんな地名が付いたんでしょうね?

ちょっとした急坂を登ります。まあ、ここまでが平坦すぎたんですが。

左側にちょっと開けたところがあって、上野原方面を望むことができます。
この先、急坂を登っている途中で、上のほうから下りてくるMTBの4人連れとすれ違いました。例によって熊鈴をつけていないので、先頭の方はこちらに直前まで気が付かなかったようです。慌ててMTBを停めて「済みません」とおっしゃってましたが、こっちも無音で歩いていて済みません。後続を停めて道を譲ってくれようとしましたが、急坂なので私のほうが登山道の外へよけて先に行ってもらいました。
結局、権現山に着くまで誰一人すれ違ったり、追い越したり、あるいは追い抜かれたりしなかったので、この4人の方が唯一遭遇した人間となりました。

急坂の先は、再び歩きやすい尾根道。

このあたりから再び尾根が急傾斜になり始めますが、登山道は一旦北側に巻いて尾根の来た斜面を九十九折れに登るようになります。

九十九折れの途中、ちょっと開けたところから笹尾根の生藤山方面が見えています。

尾根の上に乗り上げると杉林になります。少し先へ進むと二本杉(908m)に到着。登山道は山頂を通っていません。

指導標に手作り山名標が括り付けてありました。何もこんなところで領有宣言しなくても・・・(笑)。

しばらく杉林の中を歩きます。ちょっと前から無線機のスイッチを入れてあったんですが、このあたりから東京や神奈川の無線局が時々入感するようになりました。ここは石尾根よりもかなり奥まったところにあり、周囲を山に囲まれていますからあまり電波が入ってこないようです。

杉林を抜けると気持ちのいい冬枯れの道。誰もいないこの道を独り占めです。

雨降山に到着。山頂にはこのような中継タワーが数基建てられており、休憩したり展望を楽しんだりする場所はありません。とりあえず先へ進みます。

雨降山のちょっと先で初戸バス停からの登山道と合流。この指導標の奥方向が初戸バス停です。初戸バス停からここまでは標準CTで2時間ほどですから、用竹バス停から来るよりは若干楽なようです。

ほんとに誰も居ませんね~。気持ちよく前へ進みます。

和見分岐に到着。左の法へ進むと和見峠、高指山、不老山方面です。それと、この道標のところから右斜め後方の小ピークへの踏み跡が付いていますが、どうやらそちらは「すみれの丘」、すみれの群生が見られるらしいです。春になったらもう一度来てみましょう。

右前方にピークが見えてきました。どうやらあれが権現山のようです。

いや~、相変わらず気持ちのいい道ですね。

木々の向こうに見えているのは奥多摩三山。

道が急になってきました。いよいよ権現山が近いようです。

大ムレ権現に到着。権現山の名前の由来にもなっている神社です。大勢籠(おせろう)権現とも呼ばれているようです。ここで道中の安全祈願・・・ですが、中はちょっとアンモニア臭がします。そういう用途で使った人がいるのかもしれません。でも今回のルート、最初から最後までトイレが全くありませんでしたから女性にはかなりきついかも。

大ムレ権現の左側を抜け、そのまま裏の斜面を直登します。この斜面、結構きついかも。遠くから見ても山頂部分が尖った山容ですから、山頂直下が急斜面なのは予想していましたけどね。

やがて傾斜が緩やかになると・・・。


権現山山頂(1,311m)に到着です。山頂には誰も居ません。完全独占状態です♪

山頂はまさに天然の展望台。三方向が大きく開けており、この界隈の山々を一望できます。まず最初にこちらは北方向を広角端(24mm)で撮影。

続いて望遠端(120mm)で山々を個別に。こちらは飛龍山方面。

奥秩父の山々。どの辺りまで見えているんでしょうね。すっかり雪に覆われています。

中央が雲取山。

こちらは三頭山です。

御前山。御前山の左奥に見えているのが川苔山ですね。

続いて東方向を広角端で。正面が都心になります。

大岳山。

先ほど見えていた、笹尾根の生藤山付近。画面の右端は奥高尾の陣馬山です。

そしてこちらが南側・・・言うまでもなく、真打登場です。

富士山を望遠端で撮影。
この後、山頂で昼食を摂りました。先ほどからスイッチを入れっぱなしにしてあった無線機、雨降山を過ぎた辺りから横須賀市や千葉市、さいたま市方面の局がちらほらと入感していたんですが・・・山頂に着いたらうんともすんとも言わなくなっています。他に登山者が居なければ、山頂から数局、交信してみようかと思っていたんですが・・・はて?でも、ふと気が付いたらお昼時なんですね。皆さん食事中のようです(笑)。

今回のザックの様子。え~何やら無線機に外付けの長めのホイップアンテナやらマイクロホンやらが取り付けられてパワーアップしています(笑)。でも、ここまで来る間にアンテナがぶらぶらして邪魔だったので、この後取り付け位置を下に落としてザックの上に突き出ないようにしました。
山頂に着いた当初は無風でボカボカ陽気でしたが、12時半を過ぎた辺りから風が出てきました。流石に吹きっさらしの尖がった山頂、風が出るとかなり寒いです。

12時45分、扇山に向けて移動開始。山頂に居る間、とうとう誰もやって来ませんでした。

やっぱりこちら側の下りも急ですね。ただ、足を滑らせないように注意しながら下りて行きます。

こちらを尾根沿いに真っ直ぐ進むと麻生山方面。尾根があまりに気持ちいいのでこのまま真っ直ぐ進みたい衝動に駆られましたが、こっちに進むと駅から遠くなってしまいます。またの機会・・・ということで、左に折れて浅川峠方面へ進みます。

こっちもひたすら急坂が続いています。落ち葉が多くて何回も足を滑らせました。あまり早くは移動できないですね。

このあたり、辛うじて踏み跡があるので登山道だとわかりますが・・・。

同じ場所で90度右に目を移すと、いかにもこっちが正規の登山道だよ、といわんばかりの尾根が続いています。踏み跡が見えない場合はきちんと地図やGPSで確認しないといけないですね。

こんな感じで落ち葉が積もっていて、何回か足を踏み抜きました。まあ、踏み抜きそうだとわかっていて歩いているので、そのまま滑落したりはしませんが。

ここも落ち葉をラッセルして進む感じです。

ようやく平坦な尾根道になりました。

浅川峠に到着。ここを右に折れると浅川バス停に出ますが、たしかそこもバスの本数はかなり少なかったはずです。権現山からここまでの間に、親子三代っぽい三人組のパーティ、夫婦連れらしい二人組のパーティとすれ違いました。結局、この後は鳥沢駅まで誰にも会わなかったので、この山域で見かけた最初で最後の登山者でした。

山と高原地図で「迷」マークのついているあたり。踏み跡は明瞭に左へ続いています。何だ、迷いそうな場所じゃないじゃん、と先へ進みましたが・・・。

いつの間にか踏み跡から外れてしまいました(笑)。まあ、尾根筋をこのまま歩いていけばOKなんですが。

そのうち左のほうから踏み跡が現れて無事合流。100mほどロスしたようです。でも、どこで踏み跡から外れたんだろう?

曽倉山山頂(940m)に到着。ここは全く展望がありません。

正面に扇山。でも、一旦道は下ります。

右手には百蔵山も見えます。


扇山への最後の登り。でも、こちらもかなり急です。場所によっては何かに掴まりたくなるようなところもあります。かなりへたばってきているので、休み休み登っていきます(笑)。それと、逆光が眩しくて道がよく見えません。いかん、サングラスを持ってきていなかった・・・。

おお、だいぶ平坦になってきました。山頂も近いかな?



扇山山頂(1,137m)に到着♪意外と権現山と扇山の間はきつかったですね。バテてきているので、標準CTの1時間半を大幅にオーバー、2時間かかって到着です。14時過ぎにはここに着きたかったんですが。

日が傾いてきているので、富士はすでにシルエット。この山は秀麗富嶽十二景のひとつでもあります。私にとっては初めての秀麗富嶽十二景。

こちらは百蔵山方面への登山道。こちらも気持ちよさそうですね。

こっちが本日の下山ルート。15時過ぎに下山開始。これから鳥沢駅まで下ります。

こっちも結構急です。扇山は意外と急斜面が多いですね。落ち葉の下がぬかるんでいる所があって、一回派手に足を滑らせました。

鳥沢駅方面と梁川駅方面の分岐です。右が鳥沢駅。ここを右に折れます。


山と高原地図には「急坂」と書いてありますが、権現山と扇山の間のルートに較べると全然大したことありません。道も広くて林道のようです。本当に林道かも?

道が分岐しています。鳥沢駅方面は左に折れるようです。

こっちは登山道っぽいですね。やっぱり、さっきの道は限りなく林道に近いような気がします。

じきに里(山谷集落)に出ました。これで日が暮れても大丈夫、一安心です。

本日最後の富士。もう日没間近です。

アスファルト舗装された道路に出ました。

右奥方向は近道、左は一般道・・・なんとなく変な道に嵌りそうな気がしたので、一般道を歩きます。

この先でバスの通る道に合流。ちなみにバスと言っても猿橋などの駅に1日1本、週末は運休という気が遠くなりそうなバスです。

バス通りにはセンターラインがありますが・・・この先、道が再び狭くなってセンターラインはなくなりました。

右のほうから来ている道が、先ほどの近道のようです。どう見ても近道を歩いたほうが早かったみたい。

やがて中央道の下を潜り、国道20号線に出ました。ここを右折。西のほうへ向かいます。

国道20号をテクテクと歩いて・・・。

この先の信号の所を左へ入ります。

鳥沢駅に到着。次の電車は17時13分。電車に乗るために待合室のベンチで無線機を片付けたりしてザックをまとめます。17時には、駅員さんが事務室を閉めて帰ってしまいました。17時以降は無人駅になるようです。
この後、高尾まで各駅停車で移動して高尾から特別快速に乗車。東京で総武線快速に乗り換えて帰宅しましたが、その殆どの区間、爆睡していました。
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