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金邦夫さん講演会『すぐそこにある山岳遭難』を聞いてきた。

こんにちは。

先日ですが、大変久しぶりに海外通販で鉄道模型を購入しました。と言っても、たいしたものではなく、客車が1両だけです。私は外国型の模型で手をつけているのは英国型だけですので、英国からの購入になります。英国型というと、昔から大変出来が悪い(笑)ことで有名だったんですが、この15年ほどは英国国内での生産をやめて中国製に切り替わり、飛躍的に品質が向上しました。中国製になったら品質が向上した、というところから元のレベルが分かりますが、昨今の中国での人件費その他の高騰の影響か、価格もかなり上昇しています。以前は客車なら1両12ポンドから15ポンドと言うところでしたが、現在では20ポンドから25ポンド。倍とは言いませんが、結構上がっていますね。

今回購入したのは、HSTと言う時速200kmで走るディーゼル超特急の、車掌室つき2等客車(TGS)。これの80年代の英国国鉄塗装のバージョンです。HST、実は若い頃何度か乗ったことのある列車なんですが、今回の購入でようやくフル編成が再現できます。あちらでは日本のようにフル編成をセットでポンと出すことはあまりなく、1種類ずつ、ちまちまリリースしていくことが殆どです。今回もフル編成そろえるのに8年がかりとなりました。

値段は20ポンド。あちらでは法律で内税表記が義務付けられているので消費税(20%)込みですが、海外発送だと免税処置をしてくれるので16.67ポンド。送料は最低だと3ポンドですが、途中で行方不明になるのも嫌なので、書留扱いで6.5ポンドの便にしてもらいました。これで合計23.17ポンドです。最近ちょっと円高傾向ですが、ドルが昔に較べると1.5倍近いレートなのでポンドも高いんだろうな・・・と思っていたら意外に安く、170円弱。トータルで4,000円しないですね。ちなみに送料、いかに英国と言えど500円かそこらで海外へ航空小包を送れるわけもないんですが、国内送料無料を謳っているお店なので海外発送もその差額分のみの負担となっています。とりあえず、届くのが楽しみです。

さて、今回のお題は先日のブログ記事の冒頭で触れた、元警視庁青梅警察署・山岳救助隊副隊長だった金邦夫さんの講演会に行ってきたお話です。先日の記事で触れたとおり、申込者多数の場合は抽選と言うことだったんですが、やはり会場が都心で行きやすいせいかそれなりに応募が多かったようで、抽選になったようです。申込締め切りは1月22日だったんですが、23日に抽選の当選の通知がメールで来ました。というわけで、2月6日土曜日、都内千代田区の日比谷公園まで出かけてきました。

日比谷公園、しかも野外音楽堂のある辺りだと最寄り駅は東京メトロの霞ヶ関か都営地下鉄の内幸町となります。ですが乗り換えるのも面倒だったので、総武線快速でまっすぐ新橋まで行ってそこから歩きました。新橋駅から日比谷公園まで徒歩10分くらいしょうか。

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日比谷公園に到着しました。正面中央の建物は日比谷公会堂。かなり前から老朽化のため建て直す・・・という話を聞いているような気がするんですが、未だにそのままですね。建替えの話は立ち消えになったんでしょうか。

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にれの木広場の前を通過。日比谷公園にやってくるのは本当に久しぶりです。若い頃、ごくごく短い期間だけ営業職を経験したことがあって、その頃の担当区域が有楽町・日比谷・内幸町だったので、毎日のようにここに来ていた時期がありました。当時の昼下がりの日比谷公園なんか、アタッシュケースを枕に昼寝している営業マンとか、同じくアタッシュケースを机にして将棋を打っている営業マンたちとか、そんな暇人で一杯でした。え、私?私は真面目に仕事していましたよ、一応(笑)。

あと、今はどうか知りませんが、昔は夜になると「のぞき」が多いので有名でした。特に公園の北東の心字池のあたり。学生時代、当時付き合っていた彼女と一緒に「のぞき」見物に来たことがあります。アベックで歩いていれば向こうから接近してくるだろうと思っていたんですが、さすがにすぐに分かるような間抜けな人はいませんね。結局それらしいのは見つけられなかったんですが、心字池のほとりのちょっと高台みたいになったところで「のぞき小屋」を発見。高台の斜面に木の枠を枯れ草で覆ってカモフラージュした、大人一人が隠れられるような小屋が作ってありました。おそらくこの小屋に潜んでいて、すぐ前のベンチでアベックがいちゃつき始めると小屋から頭だけ出して観察するんでしょうね。それだけのものを作る努力に呆れましたが、彼女の方は「ええい、こんなもの、こうしてやるっ」と言って近くにあった棒(おそらく小屋の建材の残り?)で小屋を破壊し始めました。小屋の持ち主(?)が逆上して襲ってきたら困るぞ・・・と思ったんですが結局そのようなこともなく、哀れ「のぞき」屋の努力の結晶は崩壊して心字池に転がり落ちていきました(笑)。

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野外音楽堂の前を通過。

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そして、野外音楽堂のすぐ右隣に、本日の会場である「水と緑の市民カレッジ」があります。

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階段で2階に上がります。この右奥の会議室が会場ですが、撮影できるのはここまで。

私が会場に着いたのは講演開始の5分ほど前で、すでにほぼ満席状態でした。で、こういった会場の常で、後ろのほうから埋まるために空いた席は必ず前のほうにあるんですよね。というわけで、私も前から2列目に着席できました。すでに本日の講師の金邦夫さんは会場に入っており、演台脇の椅子に着席されています。ちょっと意外だったんですが、元警察官で山岳救助隊員、という経歴から想像されるようなゴツイ感じの方ではなく、割と線が細い印象です。何も言わずに座っておられると、どこかの大学教授かな、と思えるくらい。でも、山屋さんってけっこう線の細い方が多いですよね。

程なくして講演が始まりました。最初は自己紹介からですが、やはり相当間違われるらしく、北の国の暴れん坊将軍とは違って「こん」と読みます、というお話から。私も以前の記事で書きましたが、「金」姓は東北地方に古くからある、「昆」「今」などと同源の由緒ある苗字です。

続いて、山岳救助隊の仕事ぶり紹介と言うことで、何年か前にTBSで放送したらしい「警察24時」風の番組の録画。私は以前、雲取山から下山する際に出動する山岳救助隊の人たちとすれ違ったことがありますが、実際の救助活動を見るのは初めてです。この番組の収録には金さん自身は出ていないのですが、山岳救助隊の人たちの仕事ぶりがよくわかる興味深い内容でした。取材中、救助隊が出動した案件は、私も昨年秋に歩いた奥多摩・川乗橋から蕎麦粒山に向かう鳥屋戸尾根での転倒・骨折事故でした。それにしても先発の隊員の方、ベテランの山岳カメラマンが全く付いていけないくらいの凄い速度で急傾斜の鳥屋戸尾根を駆け上がって行きます。鍛え方が半端じゃないですね。

事故に遭われた方は結局、東京消防庁のヘリでホイスト救助(ホバリングしたヘリからの吊り上げによる救助)され、病院に搬送されたそうです。

その後、実際に救助に当たった現場の事例や、最近の救助要請の件数や傾向、最新の奥多摩付近の状況など、個別のお話が続きます。事例については金さんご自身が既に著書で紹介されているため、既に読んだことのある話が殆どでしたが、やはり実際に現場にいた方が直接話をするのを聞いていると臨場感が違います。また、本では紹介されていないような細かい話も多く、例えば川苔山・百尋ノ滝付近での2件の150mの滑落事故。遭難者は1件では亡くなり、もう1件では助かっていますが、15m程しか離れていない、ほぼ同じ場所で起きた事故にもかかわらず何が生死を分けたのか。現場の地形や樹林の状態、遭難者のザックの背負い方などの細かい部分のお話を聞いて初めて違いがよく分かりました。

その他、各種統計などへの言及もあり、平成26年(2014年)の全国の山岳遭難の統計などについても触れられていました。山岳遭難が一番多いのは長野県の272件(死者・不明51名)、ついで富山県の133件(死者・不明18名)というのは容易に予想できますが、実は東京都が第6位で108件(死者・不明6名)だそうです。2,000mを超える山岳を抱える東京都は立派な山岳県と呼べるそうで、今年に入ってからでも既に奥多摩・御前山で1名、行方不明者が出ているとか。奥多摩で行方不明になるのは長沢背稜の方という先入観がありますが、そう言えば御前山では以前も行方不明になった方がいた筈です。ほぼ奥多摩駅前の山ですが、ツキノワグマの目撃例も多いですし、決して侮ってはいけないところだと思いました。

また、山岳遭難の三大要因として1.体力不足、2.道迷い、3.楽観主義を挙げられていました。このうち一番重大事故に繋がるのが道迷いだそうです。よく、尾根から外れて支尾根に進むのが正規の登山道というところがあり、大抵の場合は間違えないように直進側に丸太などを置いて「こっちじゃないよ」と教えてくれていますが、ご丁寧にこの丸太をどかして直進してしまい、道に迷う人もいるそうです。地図読みによる現在地確認など、きちんとできるようにしておくことが大切ですね。

意外だったのは火が使えるようにしておいてくださいという話。私もそうですが、山林、特に国立公園内などで焚き火など犯罪行為、という先入観があるんですが、金さんに言わせると生死がかかった状態でそんなことは言ってられない、非常時に焚き火で暖を取ることもできないのは困ると言うお話でした。まあ確かにそうで、昔の山屋さんは休憩するとすぐ焚き火を起こしたそうですが、それでも滅多に山火事にはなっていませんね。やり方を知らないで、付け焼刃で焚き火をするほうが大変危険なのはよくわかります。でも・・・どこで練習すればいいんだろ?(笑)。

金さん、決して話が上手な方ではないと思いますが、独特のユーモアを交えて話される内容にはどんどん引き込まれ、あっと言う間の2時間でした。この講演の最中、何回か仰っていたのが「山屋の矜持」という言葉。矜持とは、プライドと言い換えてもいいでしょうか。重大事故で救助要請をするのはもちろん当然ですが、最近は些細な捻挫とかでもタクシーを呼ぶ感覚で救助要請をする、登山者としての恥もプライドも感じられないような人が増えているとか。怪我で救助要請したなら、下山後はそのまま救急車で病院へ直行が当然のはずですが、「病院は結構です」とそのまま帰ってしまう人もいるようです。警視庁や東京消防庁ではかなりの機数のヘリを保有しており、最近の奥多摩地区では大多数がヘリによる救難になったそうですが、それこそタクシー代わりに使われてはたまりませんね。

金さんもちょっと触れていましたが、皆さんご存知の通り、2010年7月には奥秩父で救助ヘリの墜落を含む4重遭難事故があり、9名(最初に滝壺に転落溺死した遭難者1名、ヘリ墜落で救助隊5名、それを見て現場に向かい滑落した登山者1名、自粛要請があったにもかかわらず現場取材を強行しようとして沢に転落した日テレ取材クルー2名)の方が亡くなっています。そもそも気流が安定せず、地形も複雑な山岳地帯でヘリを飛ばすこと自体、かなりリスキーです。遭難者の命が関わっているから危険を承知でヘリを飛ばすわけで、決してタクシー代わりに使えるような安全な乗り物ではありません。

ちなみに前述の事故、同年9月にはチャーターされた朝日航洋所属のヘリが現場からの機体回収を行っていますが、この同じヘリが2週間後に屋久島の紀元杉の近くで木道の資材運搬中に墜落、乗員2名が亡くなっています。不気味な連鎖ですが、如何に山岳でのヘリが危険かがお分かりいただけると思います。

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講演が終わり、再び表に出て来ました。先程やってきた新橋駅に戻るには正面に進みますが、私はある目的があって左手に進みます。

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途中、巨大な望遠レンズつきのカメラで何かを狙っている人たちがいました。そのレンズの向かっている方向を探してみると・・・。

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お、いたいた。カワセミですね。流石に私のコンデジだと光学ズーム一杯(5倍)だと何がなにやらわからない状態だったので、デジタルズームを目一杯。さらにそれでも小さいので、レタッチソフトで拡大してどうにかカワセミと分かるようにしました。画面がかなり荒れてしまって御免なさい。

こんな都心でカワセミ?と驚かれる方がいるかもしれませんが、実は意外と東京23区内にはカワセミがいるんです。それなりに公園も多いですし、餌場(水場)がそこそこありますからね。ましてやこの日比谷公園は「野生の王国」皇居のすぐ隣です。カワセミが飛来していても、全く不思議はありません。

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目的地に到着。日比谷公園内の老舗洋食店「松本楼」です。創業は100ほど前で、かつては日本亡命中、日比谷公園のすぐ近くに住んでいた中国革命の父、孫文もよく通ってきていたとか。私はグリルのほうしか利用しないので見たことがありませんが、メインホールには孫文の妻である宋慶齢夫人(蒋介石夫人の宋美齢の姉)がいつもが弾いていたピアノが飾ってあるそうです。これまで関東大震災の際と、1971年の沖縄返還反対デモで過激派に火炎瓶を投げ込まれた際の2回、全焼していますが、ピアノは2度目の再建後に飾られるようになったとか。

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こちらの名物はカレー。今日はお昼を全く食べておらず、かなりお腹が空いていたのでカツカレーにしてみました。ルーをよく煮込んだ、オーソドックスなカレーです。私はピクルスが好物なので、福神漬けの代わりに添えられているピクルスが嬉しいですね。

この後、有楽町から電車に乗って秋葉原に寄り、2~3の買い物をして自宅に帰りました。
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テーマ : アウトドア
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No title

続けてこんにちは、徒骨亭さん!

金さんの講演会、非常に有意義なものだったようですね。
私も時間があれば是非行ってみたいところでしたが、このころはまだ週末の予定が立たない状況でした。
父の死後の残務整理もようやくあと1件を残すのみ…やっとここまで漕ぎつけたよ~!
これは春にならないとどうにもならないので、やっと週末をゆっくり過ごせます。

遭難に関しては常々気をつけていますが、それでも尚気をつけなければなりませんね。
道を歩いている最中、「ここで転んで怪我をしたらどうする?」と考える事があります。
まずは這ってでも下山するか、もしくは見晴らしのいい尾根に出て救助を要請するか…怪我の状況と山中のどの辺りにいるかで変わってきますが、そうやってシュミレートするとおのずと気が引き締まってきます。
時々ビバークポイントもチェックしていますが、本当に何の為に登っているのやら(^^;

日比谷の松本楼は聞いたことがありますが、行ったことはもちろんありません。
美味しそうなカツカレーです(ぐぅ…)v-374

Re: No title

悠さん、続けて(と言ってもちょっと時間をおいていますが)こんばんは♪

金さんの講演会、文中でも触れたとおり直接お話を聴くと臨場感が違います。あと、独特のユーモア溢れる語り口にどんどん引き込まれます。困った救助要請の話の中で、引退間際に大岳からの鋸尾根で足を挫いたメタボ中年を背負って下りてきた話をしていたんですが、60過ぎの自分がちょっと頑張れば歩けそうな40男、しかも体重70kgはありそうなのをを背負って下りていることに相当不条理を感じたらしいです。話の途中で無意識に「70kgもある『ヤツ』」とヤツ呼ばわりをしてしまって「あ、いけね!」とかアタフタしているところがお茶目でした。著書のお写真で拝見するとゴツイ感じがするんですが、かなり印象が違いますよ。

たまに奥多摩駅周辺の飲み屋さんで下山後の一杯を楽しまれているようですから、そういう場所でお話を伺う機会があれば講演会では聞けなかったような話が聞けるかもしれません。

金さんの本は山歩きを始めてすぐに2冊続けて読んだんですが、山岳遭難、特に低山での遭難がどういうパターンで起きるのか、どういった場所で起きるのかがイメージできて非常に参考になりました。でも、何だかんだ言っても、自分が実際に怖い思いをしたのが一番強力に印象に残りますね。昨年今頃の石尾根でのプチ滑落、落ちたのは2mくらいでそれ以上は落ちそうもない場所でしたが、未だにトラウマになっています。トラバース道で、道が流されかかって細く、斜めになっているような場所の通過が凄く怖いです。

松本楼、機会があれば是非一度お試しください。毎年、何月かは忘れましたがチャリティで10円だか100円だかで提供していることもあります。凄く混むらしい(あたりまえか)ので行ったことはありませんが。
プロフィール

徒骨亭主人

Author:徒骨亭主人
「むだぼねていしゅじん」です。「とこつ」ではありません。
主な関心事は電子工作、鉄道模型、空モノラジコン。その他、オーディオ、銀塩カメラ、クラシック音楽、映画などなど・・・何のことはない。どれも皆、昔ながらのオヤジ趣味ですな。最近は13年11月から始めた山歩きに熱中しております。
女房に頭の上がらない、小学生の息子を持つ父親です。

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