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英国型パンタグラフ。

こんばんは。

先々週手に入れた英国型Nゲージの機関車・Class 86ですが、実は購入当初から気になっている点が一つありました。パンタグラフです。英国の電気機関車は大きな熊手のようなパンタグラフをしていて、しかも結構架線の位置が高い場所があり、熊手を「くわっ」と持ち上げて走ったりしているんですが、この「くわっ」が出来ないんです。下の写真はWikipediaのClass 86の項目からの引用(Wikimedia Commonsの画像)ですが、せめてコレくらいまでにはパンタグラフを上げたいですよね。

Class 86 (Wikipadia)
Photo By Phil Scott

ところが、模型の方はご覧のとおり。なんだか、屋根の上にパンタグラフが這い蹲ったようになっています。

DAPOL Class 86 オリジナルのパンタグラフ

パンタグラフの下側のアームが殆んど動かず、上半分だけが中途半端に持ち上がっています。さらに、パンタグラフの付け根付近をよく見ると・・・お分かりでしょうか。金色のものが見えますが、これ、パンタグラフを車体の内側から止めているネジなんです。要は、このネジがパンタグラフの下側アームの付け根の部分に干渉していて、下側アームの動きを阻害しているのでした。

これはこの個体が不良品とか言う問題ではなく、製品全般の設計ミスですね。英国内のショップなどの同製品の写真を見ると、どれもこれも私のClass 86と同じく、パンタグラフが中途半端な上がり方しかしていません。

でも、コレくらいで目くじらを立てていては英国型Nゲージと付き合っていけません。かつて、英国型Nゲージが英国内で製造されていた時代には、モーターのウォームギアが車輪側のメインギアに決して接触することのない機関車とか、出荷前の検品をしているとは到底思えないような製品が平気で出荷されていたと言います。

後発のDAPOL社は最初から中国生産ですが、10年ちょっと前に老舗のGraham Farish社が中国系企業であるBachmannに買収され、中国での製造に切り替えた際、「劇的に」品質が向上したという情けない代物が英国製のNゲージなのです。ここは広い心で、ユーザーによる創意工夫の余地が残されていると前向きに考えてあげましょう。

・・・というわけで、対策です。闇雲にやってもう手に入らないこの製品にダメージを与えるわけにはいきません。まずは情報収集というわけで、同じ悩みを英国内のNゲージファン諸兄も抱えているだろうと、英国の鉄道模型関係のフォーラムやら個人ブログやらでこの問題に触れているものが無いかどうか、探してみました。

図星です。個人ブログ・・・というにはちょっと記事や写真がプロっぽいのですが、このようなブログ記事を見つけました。

Nigel's Mountains and Modelling - "New pans for the Dapol ‘Cans’."

この記事によると、Class 86の後になってリリースされたモデルではパンタグラフ部分が改良されているらしいのですが、最初期の製品のパンタグラフについても同等になるようにするための交換パーツがDAPOLからリリースされたとのこと。ブログには丁寧な交換手順まで紹介されています。

この記事の日付は昨年の8月です。まだまだこの交換パーツは入手できそうです。早速、英国でもっとも有名な鉄道模型ショップである、リヴァプールにあるHattonsで在庫を調べてみました。

ありましたありました。価格は6ポンドとなっていますが、Hattonsは昔からVAT(付加価値税=消費税)の免税措置をきちんとやってくれますから、日本から注文すれば5ポンドです。送料は3ポンド、計8ポンドの約1,000円で注文できました。

で、昨日配達に来たようなのですが、例によって我が家は不在。先ほど仕事の帰りに集配局で受け取ってきました。ちなみに今回の不在通知、送り主の名前は「AIR MAIL様」でした(笑)。

なんだかパーツ1個にしては大げさな箱に入って送られて来ていたんですが・・・。

DAPOLの交換用パンタグラフ

Hattonsの2012年春号のカタログも一緒に入っていました。このカタログのために箱が大きくなったようです。Web通販が当たり前の時代ですが、英国人はまだまだ昔気質の紙のカタログに拘っているんですね。その昔、ロンドンの古本屋に在庫問い合わせの手紙を送ると、丁寧に在庫一覧やら発送料金表やらを送り返してくれていた時代を思い出しました。こと通販に関しては、英国人のハンドリングは非常に信頼できるものと思っています。

DAPOLのパンタグラフを交換中

早速交換です。Nigelさんのブログ記事どおり、ボディは簡単に外れます。ライトユニットへの配線を切らないように、慎重にネジを外します。新しいパンタグラフには止めネジも付属しており、ネジごと交換します。ネジが小さいのでうまく嵌めるまでにちょっと苦労しましたが、無事交換に成功しました。

DAPOL パンタグラフ交換後

やっぱり、パンタグラフはこうでなくちゃいけませんね。パンタグラフ本体の精密感も増しており、なかなかいい感じです。右側の古いパンタグラフですが、ご覧のとおりスプリングの力で伸びきっています。再度真鍮ネジをねじ込んでみてわかりましたが、本来は真鍮ネジで高さを調整するような設計と思われます。しかし、パンタグラフの屋根への固定手段が他になく、調整用のネジがパンタグラフの固定手段になってしまった時点で調整能力を失い、パンタグラフを屋根に這い蹲らせる結果になってしまったようです。
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テーマ : 鉄道模型
ジャンル : 趣味・実用

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No title

 初めまして、私は模型歴35年、山梨在住のoityanと申します。私のところのグラハムファリッシュのクラス90はパンタグラフは
ちゃんと上がりましたが、ライトは印刷で、ほとんど同価格のARNOLDに比べて差が大きかったのですが徒骨亭主人様の文章を見て納得させられました。走りは悪くありませんが、恐ろしくやかましく、昔のTOMIX香港のED70と
同レベルでした。DAPOL社のモーターはどうなのでしょうか?それを伺いたくメールをした次第です。

Re: No title

oityanさん、はじめまして。コメント、ありがとうございます♪

グラハムのCLASS 90も結構古めの製品じゃなかったかと思います。確か、バックマン傘下に入って中国生産になった初期の頃のものではなかったかと。私はこの時期のグラハムはほとんど持っていないのではっきりしたことは言えないのですが、英国製造時代の動くか動かないかわからないような製品に較べると格段によくなっているらしいです。

で、その時期のグラハム製品と比較した上での話ではないのですが、どうも情報を総合すると、DAPOLの製品は中国国内で日本のマイクロエースの生産を手掛けている工場か、それに近い筋で生産されているらしく、マイクロエース製品に非常にフィーリングが似ています。パッケージを開けたときの匂いも似ていますし。ですから、割と静かに、滑らかに動いてくれます。ただ、長期保管していると油が漏れてくるのはマイクロエースや中国生産のTOMIXと同じですね(笑)。

それと、グラハムもDAPOLに影響されたのか、最近の製品は品質が大幅に向上していて、ヘッドライト点灯は当たり前、動きもかなり滑らかになっています。やっぱりマイクロエース系の工場での生産に変わったみたいですね。というわけで、最近の製品に限って言えばマイクロエース製品と同等の品質かと思います。

最近は山登りばかりしていてあまり新しい情報がないのですが・・・お役に立てれば幸いです。

ありがとうございました

 先日はDAPOLについてありがとうございました。あのスレの後に、イギリスで友人がクラス86のブルーの車輌を買ってきてくれましたが、徒骨亭主人様が仰るようにMICROACEそっくりな走りですが、その友人が言うには
DAPOL、MICROACE、ARNOLDは同じ系列の工場のよう
ですね、私が持っているARNOLDの機関車とMICROACE
の機関車が同じモーターでびっくりしたことがあります。これからも不定期に投稿させていただきますね。

Re: ありがとうございました

oityanさん、こんばんは♪

DAPOL製品の実物を手に入れられたのですね。百聞は一見にしかず、マイクロエース製品に似たフィーリングであることを実感されたことと思います。Graham Farish製品もここ2年ほどは同じようなテイストになってきていますから、5年位前に較べると英国型全体のレベルが飛躍的に向上したのは間違いないと思います。これもDAPOLが呼び水になったんだと思いますが、失速せずに続いていって欲しいですよね。

ただ、難点は国内ではほとんど販売されていない点。私は基本、通販ですが、ちょっとマイナーなところでは1回カードナンバーの漏洩があったりして冷や汗をかいたことがあります。幸い実被害は生じませんでしたが。

グラファリはやっぱり・・・・

 徒骨亭さんこんにちは、
  昨日、関西に住む親友から「これ、車庫の片隅にでも置いてや」と書かれた手紙とともにグラハムファリッシュのクラス87が入っていまして、パワーパックの電源を入れても動かない、親友に連絡すると、知人の模型店オーナーが亡くなったので、遺族の方からいただいたそうなのです。で、分解するとモーターに付いているギヤと台車のギヤが噛み合っていないので、我が家のジャンクボックスから永大かエンドウの古い
ギヤを見つけて、台車のギヤを交換したところ、動くようになりました。徒骨亭さんの仰るように「動くか否か」という
問題のようです。Bachmannが受け継ぐ前の製品だったこともありますが、イギリス製品は恐ろしいですね。 

Re: グラファリはやっぱり・・・・

oityanさん、こんばんは♪

グラハムの英国生産時代のものを実際に手に入れたんですか。私も話を聞いたことはあるものの、現物は持っていません。英国型鉄道模型を語る上の貴重な資料になると思うので、是非大事に保存しておいて戴きたいと思います。

でも、本当にギアがかみ合わない個体に当たったんですね。この話を聞いた時から不思議だったんですが、出荷前の検査ってやっているんでしょうか?亡くなられた模型店オーナーの方も、売り物にできないので手元に置いておいたのかもしれませんね。

英国の工業製品は、オーディオ機器なんかを結構使っていましたが、そのように品質が悪いという印象はありませんでした。また、同じ鉄道模型でも、OOゲージのホーンビィなどの品質は悪くないようです。Nゲージだけが極端な印象がありますが、何故なんでしょうね。

No title

 徒骨亭さん、ご無沙汰しております。いかがお過ごしでしょうか?
「英国のOOゲージのHORNBYは悪くない」とありましたが、HORNBYって
ドイツのARNOLDも傘下に収めていますから、おそらくARNOLDが技術指導をしたのではないか?と、ある模型店の方が仰っていました。我が家のDAPOLは調子が良く、グラファリは相変わらずですが、貴重な英国型ですので、動態保存機状態です(笑)、そのHORNBY系のARNOLDが珍しく英国型を発売しましたが、私の顔なじみのお店では完売してしまったという。もちろん1/148でしたし、ARNOLDということもあったので
しょうが、これが「グラファリやDAPOLだったらここまで早くは売れない」と
も仰っていました。「何故?」と問うと「英国製は昔のグラファリのイメージが
あまりにも悪いので売れない」ということでした。今のDAPOLはARNOL
D並なのに、そういうイメージに取られているみたいですよ。

Re: No title

oityanさん、こんばんは。お久しぶりです♪

Arnoldの英国型ですが、最近あまり鉄道模型関係は弄っていなかったので寡聞にして存ぜず・・・状態だったので検索してみました。昨年あたりリリースされた電車式プルマン列車のセットでしょうか?なかなか渋いものを出してきますね。グラハム・DAPOLあたりから目ぼしいものはかなりリリースされてきましたから、被らないもの、手付かずなもので手頃な・・・ということでセレクトされたんでしょうね。南部方面への第三軌条方式の電車セットは、最近のグラハムが何種類か出していたと思いますが、何れも最新の民営化された後のカラフルな列車。往年のブルー・グレイのツートンカラーのプルマンを選択する辺りがいかにもArnoldっぽいと思います。

しかし、日本国内ではなじみの薄い英国型だけに、一度悪評が付くとなかなか払拭できませんね。何年か前まで国内の模型店にグラハム製品を降ろしてた代理店は京都の会社だったらしいのですが、売れ行きの悪さに手を引いてしまったようで、グラハム製品の質が向上してからは殆ど輸入をしていないみたいです。あと数年頑張ってくれたら・・・という気もしますが、悪評が付いた後ではたとえ品質が向上しても販売は難しかったかもしれません。なにせ、そちらの取り扱い品で、某安売り模型店で在庫処分をしていた山の中にも結構品質向上後の製品が混じっていたりしたんですが、誰も買う人がいませんでしたから。おかげで私は蒸機をいくつか格安で手に入れることが出来ましたが(笑)。
プロフィール

徒骨亭主人

Author:徒骨亭主人
「むだぼねていしゅじん」です。「とこつ」ではありません。
主な関心事は電子工作、鉄道模型、空モノラジコン。その他、オーディオ、銀塩カメラ、クラシック音楽、映画などなど・・・何のことはない。どれも皆、昔ながらのオヤジ趣味ですな。最近は13年11月から始めた山歩きに熱中しております。
女房に頭の上がらない、小学生の息子を持つ父親です。

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