海外通販の想ひ出。
こんばんは。
ちょっと前の記事でも書きましたが、最近、やっていることが買い物ばかりなので、海外からの小包がぽつぽつ到着しています。今は基本的にすべて航空小包ですから、アメリカでもヨーロッパでも注文してから一週間くらいで届きます。注文もオンラインであっという間に完了しますし、送料も国内でゆうパックや宅配便を使うより安く海外から送ることが出来ます。海外からの通販を利用するようになってもう四半世紀くらいになりますが、最初の頃から較べるとまさに隔世の感があります。
というわけで、今日はちょっと昔話などを。
一番最初に海外からの通販を利用したのは1986年か87年頃だったと思います。1985年の所謂プラザ合意後で、急激に円高が進んでドルもポンドもプラザ合意前の半分くらいになり、新聞や雑誌に「個人輸入」という言葉が初めて登場した頃です。この当時のレートだと1ドルが150円、1ポンドが250円くらいですが、今はさらに半分くらいになっていますね。
当時は、外国からモノを買うと言っても送金手段自体がロクに無い時代です。とは言え衣料品などで、代理店を通さない直接の通販を大々的に行っているようなところ(バーバリーやL.L.ビーンなど)では専用のカタログやオーダーフォームを用意してあり、フォームに注文内容とクレジットカード番号を書き込んで署名して封書で送ればOK、という状況でした。
しかし、私が取り寄せようとしていたのはそういったものではありません。ちょっとマニアックな書籍やカードゲーム、玩具などです。ちなみにカードゲームといっても最近流行のトレーディングカードみたいなやつじゃありません。伝統的なトランプやタロットカードの類です。扱っている店も書店など、個人経営の小さな会社が大半ですし、私もまだ学生でしたのでクレジットカードを持っていませんでした。
当時送金手段として利用していたのは、国際郵便為替と送金小切手です。料金の安い国際郵便為替は当時の手数料が1,000円で、ヨーロッパ方面では大抵OKでした。しかし、証書が別送になるなどの理由からアメリカの会社では受けてもらえないことがあり、そのような場合は送金小切手を組んで書留で送っていました。ちなみに、現在ではアメリカ向けの郵便為替なら証書を別送ではなく直接発行してもらえますので、注文書に同封することもできます。
送金小切手は現在でも銀行により手数料や扱い方法にかなりの差があります。例えば、その銀行に当座預金口座がないと組めないところもあるようです。が、富士銀行(当時)では手数料2,500円と額面金額を現金で支払えば誰でも小切手を組んでもらえたので、必要になるたびに大手町の本店2階にあった外国為替部まで行って作っていました。支店でも受け付けてもらえたのですが、数日待たされます。学生で暇も充分あり、通学ルートの途中でもあったので本店まで直接出かけていました。
注文する先ですが、海外の書籍・雑誌の記事や広告、日本に既に輸入された商品に印刷された会社名などを手がかりに、ある程度あたりをつけて手紙で問い合わせます。当時、池袋のサンシャインシティにミプロ(MIPRO、製品輸入促進協会)の事務所があり、個人輸入の支援活動を行っていたので、ここの資料なんかも閲覧しに行きました。
もちろん、そうやって調べて手紙を送っても、会社自体が移転や廃業していてあて先不明で戻ってきたことが何度かあります。今ではメールで簡単にやり取りできますが、当時は手紙でしかやり取りが出来ません。ちなみに、電話なんてもちろん無理です。今でも顔の見えない電話での英会話は大変苦手です。・・・顔が見えていても充分苦手ですが(笑)。
手紙に書く内容は、以下のような項目をできるだけ簡潔にまとめていました。
1.日本からの注文に応じてくれるかどうか。これに応じてくれないと話になりません。
2.欲しい商品の名前。書籍の場合は書名と出版社、複数の版がある場合は、希望するのはどのあたりの版なのかも書きます。英国の書店なんかだと、単に「不思議の国のアリス」とだけ書いたら当たり前のように19世紀の初版が出てきたりしますので要注意です。価格で上限がある場合にはその旨も書きます。
3.送付手段。ヨーロッパ方面であまり重くないときは航空小包にしてもらいましたが、それ以外の場合はほとんど船便にしていました。アメリカからで2ヶ月、ヨーロッパからだと3ヶ月以上かかっていた記憶があります。
4.送金手段。前述の通り、ほとんどの場合で「国際郵便為替で支払いたい、証書別送。無理な場合は銀行の送金小切手で送ることも可」としておきました。
5.こちらの連絡先。一応電話番号も書いておきましたが、流石に直接電話が来たことはありません(笑)。
当時はまだパソコンなど触ったこともなく、大学の入学祝いに祖父から貰ったブラザーのタイプライターでカシャカシャと上記のような手紙をしたため、IRC(国際返信切手券-UPU、万国郵便連合加盟国ならその国のエアメールの最低料金分の切手と引き換えてもらえるクーポンです)を3枚程度同封して送っていました。IRCが3枚というのは、カタログなどを送ってもらえる場合を考慮してのことです。真面目な会社だと、「返信するのにIRC2枚しか使わなかった。IRC1枚分は注文時の合計金額から差し引く」として、引いた金額を注文金額としてくるところもありました。
このような相手との商談の他にも、関税その他、わからないことがまだまだ山のようにありました。国際郵便局や横浜税関などに電話したり出向いたりして一つ一つ調べていきましたが、今から思えば訳のわからない素人の質問に関係各所の皆さん、丁寧・真面目に答えてくれたものだと思います。今更ですが、改めて御礼申し上げます。
・・・さて、なんか長くなってしまいましたね。この続きはまたいずれ日をあらためて。
ちょっと前の記事でも書きましたが、最近、やっていることが買い物ばかりなので、海外からの小包がぽつぽつ到着しています。今は基本的にすべて航空小包ですから、アメリカでもヨーロッパでも注文してから一週間くらいで届きます。注文もオンラインであっという間に完了しますし、送料も国内でゆうパックや宅配便を使うより安く海外から送ることが出来ます。海外からの通販を利用するようになってもう四半世紀くらいになりますが、最初の頃から較べるとまさに隔世の感があります。
というわけで、今日はちょっと昔話などを。
一番最初に海外からの通販を利用したのは1986年か87年頃だったと思います。1985年の所謂プラザ合意後で、急激に円高が進んでドルもポンドもプラザ合意前の半分くらいになり、新聞や雑誌に「個人輸入」という言葉が初めて登場した頃です。この当時のレートだと1ドルが150円、1ポンドが250円くらいですが、今はさらに半分くらいになっていますね。
当時は、外国からモノを買うと言っても送金手段自体がロクに無い時代です。とは言え衣料品などで、代理店を通さない直接の通販を大々的に行っているようなところ(バーバリーやL.L.ビーンなど)では専用のカタログやオーダーフォームを用意してあり、フォームに注文内容とクレジットカード番号を書き込んで署名して封書で送ればOK、という状況でした。
しかし、私が取り寄せようとしていたのはそういったものではありません。ちょっとマニアックな書籍やカードゲーム、玩具などです。ちなみにカードゲームといっても最近流行のトレーディングカードみたいなやつじゃありません。伝統的なトランプやタロットカードの類です。扱っている店も書店など、個人経営の小さな会社が大半ですし、私もまだ学生でしたのでクレジットカードを持っていませんでした。
当時送金手段として利用していたのは、国際郵便為替と送金小切手です。料金の安い国際郵便為替は当時の手数料が1,000円で、ヨーロッパ方面では大抵OKでした。しかし、証書が別送になるなどの理由からアメリカの会社では受けてもらえないことがあり、そのような場合は送金小切手を組んで書留で送っていました。ちなみに、現在ではアメリカ向けの郵便為替なら証書を別送ではなく直接発行してもらえますので、注文書に同封することもできます。
送金小切手は現在でも銀行により手数料や扱い方法にかなりの差があります。例えば、その銀行に当座預金口座がないと組めないところもあるようです。が、富士銀行(当時)では手数料2,500円と額面金額を現金で支払えば誰でも小切手を組んでもらえたので、必要になるたびに大手町の本店2階にあった外国為替部まで行って作っていました。支店でも受け付けてもらえたのですが、数日待たされます。学生で暇も充分あり、通学ルートの途中でもあったので本店まで直接出かけていました。
注文する先ですが、海外の書籍・雑誌の記事や広告、日本に既に輸入された商品に印刷された会社名などを手がかりに、ある程度あたりをつけて手紙で問い合わせます。当時、池袋のサンシャインシティにミプロ(MIPRO、製品輸入促進協会)の事務所があり、個人輸入の支援活動を行っていたので、ここの資料なんかも閲覧しに行きました。
もちろん、そうやって調べて手紙を送っても、会社自体が移転や廃業していてあて先不明で戻ってきたことが何度かあります。今ではメールで簡単にやり取りできますが、当時は手紙でしかやり取りが出来ません。ちなみに、電話なんてもちろん無理です。今でも顔の見えない電話での英会話は大変苦手です。・・・顔が見えていても充分苦手ですが(笑)。
手紙に書く内容は、以下のような項目をできるだけ簡潔にまとめていました。
1.日本からの注文に応じてくれるかどうか。これに応じてくれないと話になりません。
2.欲しい商品の名前。書籍の場合は書名と出版社、複数の版がある場合は、希望するのはどのあたりの版なのかも書きます。英国の書店なんかだと、単に「不思議の国のアリス」とだけ書いたら当たり前のように19世紀の初版が出てきたりしますので要注意です。価格で上限がある場合にはその旨も書きます。
3.送付手段。ヨーロッパ方面であまり重くないときは航空小包にしてもらいましたが、それ以外の場合はほとんど船便にしていました。アメリカからで2ヶ月、ヨーロッパからだと3ヶ月以上かかっていた記憶があります。
4.送金手段。前述の通り、ほとんどの場合で「国際郵便為替で支払いたい、証書別送。無理な場合は銀行の送金小切手で送ることも可」としておきました。
5.こちらの連絡先。一応電話番号も書いておきましたが、流石に直接電話が来たことはありません(笑)。
当時はまだパソコンなど触ったこともなく、大学の入学祝いに祖父から貰ったブラザーのタイプライターでカシャカシャと上記のような手紙をしたため、IRC(国際返信切手券-UPU、万国郵便連合加盟国ならその国のエアメールの最低料金分の切手と引き換えてもらえるクーポンです)を3枚程度同封して送っていました。IRCが3枚というのは、カタログなどを送ってもらえる場合を考慮してのことです。真面目な会社だと、「返信するのにIRC2枚しか使わなかった。IRC1枚分は注文時の合計金額から差し引く」として、引いた金額を注文金額としてくるところもありました。
このような相手との商談の他にも、関税その他、わからないことがまだまだ山のようにありました。国際郵便局や横浜税関などに電話したり出向いたりして一つ一つ調べていきましたが、今から思えば訳のわからない素人の質問に関係各所の皆さん、丁寧・真面目に答えてくれたものだと思います。今更ですが、改めて御礼申し上げます。
・・・さて、なんか長くなってしまいましたね。この続きはまたいずれ日をあらためて。
スポンサーサイト