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英国国鉄Mark 1客車。

こんにちは。

最近更新をサボっている徒骨亭です。約10日ぶりの更新になりますが、今回もまた、需要が極端に少ないと思われる英国型Nゲージの話題です(笑)。

最近、ちょこちょこと英国の小売店から通販で鉄道模型を仕入れていますが、買っているのは主に客車です。英国の鉄道模型メーカー、Graham Farishの製品はここ数年の間の製品の品質向上が著しい、新規に設計された製品には「Blue Riband」というマーキングがされるようになった・・・というお話を以前のブログに書きましたが、従来から持っていた(と言っても数はたいしてないのですが)客車とこのBlue Ribandシリーズの客車を見比べると、やはり出来栄えに相当の差があり、結局全部買いなおすことにしました。

では、出来の差はどれ位あるかというのが気になるかと思いますが、具体的にはこんな感じです。

Graham Farish Blue Riband

Graham Farish Mark 1 新旧比較

比較の対象としているのはEra 5、すなわち1957年から1966年の蒸気機関車終末期のMark 1客車・2等コンパートメント(SK)、マルーン塗装です。画像の上が新規製品、下が旧製品になります。色が暗いのでちょっと差が分かり辛いかもしれませんが、実物を見るとぱっと見でもかなりの差があります。

新規製品になってからの改良点は、以下の通りです。

(1)窓ガラスが別パーツのはめ込み式になった
日本の鉄道模型を見慣れていると当たり前のことなんですが、旧製品の方はじつは透明なのっべりしたボディに直接塗装と印刷をしてボディを仕上げています。これだと一つの金型で車両の長さが同じ多数の形式を再現できて経済的・・・ということなんでしょうね。ドアノブなどの立体的な部分は一応立体印刷になっていますが、やはり全体的に平板な印象はぬぐえません。

(2)床下機器がディティールアップされた
写真ではわかりませんが、新規製品の一部の部品は別パーツで後から接着されています。旧製品の方はすべて一体成型で玩具然としていますが、新規製品では模型と呼べる仕上がりになっています。

(3)妻面の配管が金属の別パーツになった
これは見ての通り。旧製品ではただのモールドでした。このような改良で精密感が大きくアップしています。

(4)カプラーがNEM規格になった
同じアーノルドカプラーではありますが、新規製品ではNEM規格になり、簡単に取り外しが出来るようになりました。また、ボディマウントになっています。ボディマウントと言っても首振りの支点が台車のボルスター部分になるようなマウント方法なので、台車マウントのカプラーと連結して脱線するようなことはありません。また、写真にはありませんが、編成端になった場合のための貫通路の扉や端梁部取り付け用のフック、ブレーキホースなどのパーツが付属していて、リアルな編成端を再現できます。

(5)車内のインテリアが再現されるようになった
これも写真では分かり辛いのですが、新規製品では車内のインテリアが再現され、塗装までされています。これまでオープンシート車とコンパートメント車の違いがよく分かりませんでしたが、一目で区別できるようになりました。

値段は新規製品の方は実売価格で1ポンドほど値上がりしていますが、これだけ内容に差があればむしろお買い得のような気もします。ただ、私の持っている旧製品はほとんど国内に輸入されたものを買ったので、1両につき3,500円くらいはしました。今、買い直しているものは大体VAT抜きで14ポンド強、即ち1,900円程度。送料もHattonsで10両くらいまでなら普通航空小包5ポンド、書留でも8ポンド半くらいですから、最近の円高のご利益もあるとは言え、かつては随分と損な買い物をしていたような気分になります(笑)。

さて、ここで模型の元となっているMark 1客車についてちょっと解説を。というか、自分が忘れないための覚書でもあるんですが。どなたか詳しい方で間違いなど気付かれましたら、是非ともご指摘頂ければと思います。

Mark 1客車は英国国鉄が発足してから数年後の1951年から1963年まで製造された英国国鉄としては第1世代にあたる客車です。これ以前の客車は戦前の四大鉄道会社時代に作られた客車で、当初はそれらの客車とMark 1客車が混在して使われていましたが、Mark 1客車の製造が終わる頃には戦前の客車はほぼ淘汰されていたようです。

なお、模型の世界では戦前の客車は国鉄時代と区別して、LNERだったらGresleyやThompson、LMSだったらStanier・・・など言うように、それぞれの設計者の名前で呼んでいるようです。ちなみにGresleyはナイジェル・グレズリー(Sir Herbert Nigel Gresley)、かの世界最速の蒸気機関車A4を設計したLNERの主任設計技師ですね。

Mark 1の塗装は、時代により変化しています。製造直後から1956年まではクリムゾン&クリームのツートンカラーでした。Graham Farishの時代区分でEra 4、牽引する機関車は「車輪に乗ったライオン」の前期エンブレム(Early Emblem)のものが該当します。以下、実際の製品の画像についてはGraham Farish社の公式サイトもご参照ください。

1957年から1966年まではマルーンに金の二重線、チョコレート&クリームのツートンカラー、グリーンの3パターンに分かれます。但し、チョコレート&クリーム塗装はWestern Region、すなわちロンドン・パディントン駅からウェールズ方面の旧GWR路線の名称列車限定で、1962年ごろには廃止されてマルーン塗装に統一されたようです。また、グリーン塗装はSouthern Region、すなわちイングランド南部の旧SR路線の列車に限定されていました。GWRやSR地域の機関車は製品化されている数も少ないので、これらの塗装の客車は今ひとつ使い勝手が悪いです。英国でも状況は同じようで、同時期の客車では圧倒的にマルーン塗装ばかり売れています。

BRロゴ(フェレット)
Photo By Michael Ely

なお、これらの時代区分はEra 5、機関車の紋章は「ダーツボードを持ったフェレット(実はライオンらしいのですが)」の後期クレスト(Late Crest)のものが該当します。また、この時期はディーゼル機関車による牽引も始まっています。

1967年から82年ごろまではブルー&グレイのツートンカラーです。時代区分はEra 6、Era 7です。この時期、新型のMark 2客車が登場し、特急列車などの客車はそちらに漸次移行していました。Mark 1の活躍する舞台はもっぱらローカル線の各駅停車に移ります。この後、80年代末まで、ローカル線で使用されたMark 1はこの塗装のままでした。また、蒸気機関車は絶滅し、牽引機関車はディーゼルや電気機関車になります。

最後は1982年以降のインターシティ塗装です。時代区分はEra 8になります。前述の通り、ローカル線の緩行列車はブルー&グレイ塗装のままです。しかし、私はインターシティ塗装のMark 1客車を現地でも映像・写真でも殆んど見たことがありません。どれくらい使われていたのでしょうか?既にMark 2はおろか、時速200kmで走行可能なMark 3客車までが登場している時期です。主要幹線の優等列車の車両は既にMark 2、Mark 3に主役交代しています。一部の緩急車(BG: Brake Gangwayed)は高速化対応の改造をされてMark 3などと併結されていましたが、Mark 1のインターシティ塗装の一般客車がどれくらい使われたのかは定かではありません。おそらく、スコットランドなどの編成両数の少ない急行などに使われたのではないかと推測しますが・・・どなたか情報がある方がいればご教示いただければ幸いです。
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テーマ : 鉄道模型
ジャンル : 趣味・実用

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まとめtyaiました【英国国鉄Mark 1客車。】

こんにちは。最近更新をサボっている徒骨亭です。約10日ぶりの更新になりますが、今回もまた、需要が極端に少ないと思われる英国型Nゲージの話題です(笑)。最近、ちょこちょこと英...

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No title

徒骨亭さん こんにちは。

ご無沙汰しています。
鉄道模型も(は)底なしのKing of hobbyですね。

コンプリートしてもCDのようにリマスター盤が出たら
マニアは買っちゃうんですね。(^^

こういう場合旧製品はどうされるんですか?
CDの場合は驚くほど二束三文になりますネ。(盤によります)

普段は箱にしまって保管されているのですか‥‥ホコリ大敵!

Re: No title

ブラウンさん、こんばんは。こちらこそご無沙汰しております。

鉄道模型はコレクション的要素も大きいので、ある程度ポリシーを定めて取り組まないと底なしの泥沼に陥りますね。こういったリニューアルの場合も、「絶対に買い替えはしない」と決めてかかればいいんでしょうが、元々コンプリートには遥かに及ばない数しか持っていませんので、新規製品を見ると即座に買い替えを決断してしまいました(笑)。

日本国内では英国型は中古市場を形成するほどユーザーがいないので相場も何もありませんが、日本型の場合はリニューアル品が登場すると旧製品の相場ががた落ちになることが多いです。あと、長年品切れでオークションで高値のついているような製品がやたら中古市場に出だすと間もなく、メーカーからリニューアルの告知がされるとか。どこから情報を得るんでしょうね(笑)。

埃の他、紫外線なども塗装やプラスチック部品を劣化させる元凶なので、箱に入れて押入れの中とかで保管しています。

No title

徒骨亭さん
こんにちは。

初めてコメントさせて頂きます。

Graham Farish製の新旧Mark1客車の比較写真大変参考になりました。

この旧タイプのものと同じ構造の、車体が一体成型の同社製Mark3、Mark4を所有していますが、今度Mark1 を購入しようと思っています。

写真を見て、これだけ出来がよいと購入意欲がわいてきました。
まだそろえる車種を決めていませんが、早速調べて通販で購入しようと思います。

Re: No title

ntmuseumさん、こんばんは。
コメント、どうも有り難うございます。

Mark1客車の比較写真がお役に立てたようで何よりです。Graham Farish社製品の中でも最もバリエーションに富むシリーズですから集め甲斐があります。往年の編成などの情報を探すのもなかなか楽しい作業です。
もっとも車種が100%リリースされているわけではありませんから、編成を完全再現というわけには行かず、ある程度は妥協しないといけませんが・・・。

Mark3はこれまでのブログを読んでいただければ分かりますが、最近Dapol社の製品に鞍替えしました。実車が結構のっぺりした印象のある車体ですので、Graham Farish社の製品も決して悪くは無いのですが・・・バッファの有無の作り分けとかまでされると、流石にDapol社に軍配が上がってしまいます。

No title

徒骨亭さん
こんばんは。

早速この記事を読んだ後、イギリスの通販店にオーダーしました商品が昨日届きました。
まだ1、2両しか開梱していませんが、写真で見る以上に出来がよく同車製のMK3、MK4とはまったく異なる製品であることを実感しました。
MK1の編成についてはまだわからないところも多いのですが、早く編成を組んで走行させてみたいと思っています。

Re: No title

ntmuseumさん、こんばんは。

私もBlue Ribandシリーズの車両を実際に手に取るまでは「配管が別パーツになっただけ」くらいの認識しかありませんでした。ですが、実物の車両を手にしてその存在感の違いに驚きました。同時に、旧車両との混結が難しい・・・というのも痛感。結局、これまでのMark 1客車はなかったことにして再コレクションと相成った次第です。

実は、旧車両はすべて国内の代理店(京都らしいです)経由での入手だったんですが、2年以上前に不足分の車両を10両近く、なじみの模型屋さん経由で注文していました。ただ、既に輸入は休止状態だったらしく、1年以上待っても音沙汰なしでしたので結局はキャンセルとなりました。今ではキャンセルになったことに感謝しています。国内代理店経由だと1両が3,500円くらいはしていましたので(笑)。
プロフィール

徒骨亭主人

Author:徒骨亭主人
「むだぼねていしゅじん」です。「とこつ」ではありません。
主な関心事は電子工作、鉄道模型、空モノラジコン。その他、オーディオ、銀塩カメラ、クラシック音楽、映画などなど・・・何のことはない。どれも皆、昔ながらのオヤジ趣味ですな。最近は13年11月から始めた山歩きに熱中しております。
女房に頭の上がらない、小学生の息子を持つ父親です。

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